法人営業において自分の弱みをカバーするもの

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法人営業をしていた際にいただいたあるお客様からのフィードバック

今回は、私自身があるお客様にいただいたフィードバックが気づかせてくれた魅力的な営業になるための視点、「立体的なキャラクター」についてお話します。

 

まだ法人営業経験が浅かったある日のこと、発注してくださったお客様に

「高橋さんはもともとコンサルティング出身だからロジカルな提案をしてきますね。うちの会社は代表がコンサルティング出身なので、ロジカルな社員も多いし、コンサル出身の会社から営業提案を受けることも多いのですが、ロジカルな人はドライな人がほとんどなんですよ。でも高橋さんはロジカルな面もあるけれど、やたらと無駄に熱いところがある。その泥臭さがいいなと私は思ったんです。」
というお言葉をいただきました。

そのときはとても嬉しく、素直に「そうなのか!二面性があるのか」と思ったのですが、実はこれには重要なヒントが隠されています。

営業においてひとつの側面と、それに付随するマイナス面

お客様が発注先を決めるにあたり、似たような選択肢(例えば2社コンペなど)で悩んだ時に、ある会社の営業の方がひとつの側面しか持っていないと、それに付随するマイナス面が断わる理由になる可能性があります。

たとえば「論理」「感情」という2つの側面で考えてみましょう。

「論理」を強みに営業する方がいたとします。

でもその論理というのは、もう一方の側面では、
「人の気分や感情に対して鈍感なのではないか」
「心の機微があんまりわからないのではないか」
「感情の方は大事にしていないのではないか」
と思われてしまうリスクもあります。

 

しかし「感情」を武器にした場合。
非常にハートフルで、共感が持てて、愛嬌もあるタイプの営業の方をイメージしてみましょう。

そういう営業の方は、お客様に親しみをもってもらいやすいのですが「細かいところの詰めが甘いんじゃないか」と思われてしまうリスクもあると言えます。

つまり、ひとつのキャラクターしか持っていないと、それゆえのマイナス面を思い起こさせることで、それがお客様にとっては断わる理由になってしまいやすい、ということです。

法人営業 において一見矛盾したふたつの側面を見せる

そこで「キャラクターを立体的にする」という工夫をしてみることをおすすめします。

例えば、営業の場面で自分の内面で矛盾しあっている両方の側面をお客様に見せてみることで「あの人の提案書は論理的で理屈が通っているけど、話してみると感情っぽい人だな。もっとその人の奥が知りたいな」と、矛盾する2つの面を魅力としてとらえてもらうことができます。

特に「その奥が知りたいな」とまで思っていただけるとすごくいいレベルです。

一見すると矛盾している両面をしっかりとお客様に提示することで、人としての魅力が増し、断わられづらくなります。
そして逆に言えば、競合他社の提案に片一方の側面しかない場合「断わられやすくなる」ということが裏側で起こります。


みなさんが営業に行かれる際、普段からご自分が武器にされていることがあるとすれば、それとは真逆と思われる側面を、何かの形でお客様に見せてみてください。

一見矛盾した両面がしっかり存在することによって、キャラクターに奥行きを感じてもらえるようになります。

「立体的なキャラクター」
というのを意識して営業すると、さらにみなさんの「選ばれる理由」が作りやすくなっていき、ひいては勝率も上がっていくはずです。