営業担当の状態に応じた4つの対応方法とは?

営業 担当の状態に応じた4つの対応方法とは?.png

営業担当の状況ごとに応じて適切な行動促進を

営業組織の中で部下をお持ちの方は、会議の場において、部下からの状況報告や数値を踏まえて、今後の指針や行動について「では皆で◯◯をしていこう」というようなお話をする機会があるかと思います。

しかし、部下の状況はさまざまです。全体に対して画一的に「こういう風にしなさい」と指示するのではなく、なるべく一人一人の状況に合わせたディレクションをやっていくと行動促進への効果を上げることができます。

 

実際多くの営業組織では

「売上が足りていない」
「じゃあ、アポをとりましょう」
「みんなで新規のアポイントを獲得しよう」
「じゃあ、一人あたり週◯◯件ね」

というようなやりとりが、全体会議でなされていることが多いかと思います。

もちろん、

「今期は年末商戦での獲得を狙おう」
「とにかく集中してコンペの受注率を上げていこう」
「みんなでソリューション営業をやっていこう」

という風に、その時期における指針となる「全体に対する号令」というものは必要です。

 

しかし、それを踏まえた上で、行動に対して適切に働きかけていく場面においては、なるべく営業の方々それぞれの状況に応じたコミュニケーションを行うことで、行動促進が最大化されていきます。

 

実際にどのように進めていくのか説明していきましょう。

メンバーの状態を4つのタイプに分ける

メンバーの状況に応じて対応していくために、まずはタイプ別に分類してみましょう。

営業会議などの定例会議時に、部下からヒアリングした状況に応じて、下記の4つのタイプに分けてみてください。

160909_部下の4タイプ

160909_部下の4タイプ

ヨコ軸は「行動の量」、タテ軸は「行動の質」です。
上に行けば行くほど行動の質が高い、右に行けば行くほど行動の量が多い、ということになります。

そして、中央が基準のラインだと考えてください。

つまり、中央より上であれば基準よりも行動の質が高く、真ん中よりも右側であれば行動の量が基準より多い、ということを指しています。

 

横軸の行動の量については「アポイントの件数」「電話の件数」「商談の数」など、数で測定できるもののうち量を表すもので計測します。

中央の基準値としては、部署の平均や、目標を達成するのに最低限必要な数などを目安に設定してください。

基準値以上のメンバーが【A】【B】、基準値以下のメンバーは【C】【D】にあてはまります。

 

縦軸の行動の質については「受注率」や「案件単価」など、質の良い営業行動がされていれば高いパフォーマンスが出る項目で計測します。

 

基準値以上のメンバーが【A】【C】基準値以下のメンバーは【B】【D】に当てはまります。

4つのタイプとその関わり方

★Aタイプ

Aタイプの人は、行動の量も行動の質も基準よりも高いタイプ。
あれこれと指示を出すより、なるべく本人の状態が良くなるようなコミュニケーションをとりましょう。
本人のやり方にあまり邪魔をせず、より動きやすくする環境づくりをサポートすることが重要です。


★Bタイプ

Bタイプの人は、行動の量は標準より上ですが、行動の質が低いタイプです。

正しい方法や適切な方法がわからず、パフォーマンスが落ちていると考えられます。
行動の量は多い頑張り屋さんタイプなので、効率がわるい状態が続くとやがて疲弊していってしまう可能性が高いです。
Bタイプの人に対しては、上司が同行したり、一緒にミーティングをして何がネックになっているかを解消してあげたり、具体的に「質を上げる取り組み」を一緒にやっていきましょう。


★Cタイプ

Cタイプの人は、案件の受注率や単価は良いが、行動量が足りていないことが成果の伸び悩みの原因となるタイプです。
行動の量を増やすための握りや約束、あるいは行動の量が増えるのを妨げるネックを解消していくことが必要になってきます。
質に関しては自分のやり方で結果が出ているので、行動の量を増やしていくための具体的なアドバイスやマネジメントを行いましょう。
「今は一日●件回っているから、それを●件にしてみよう」など、一日ごとに数字で見ていくなど、行動の量を追いかけていくことが重要になります。


★Dタイプ

行動の量も質も十分でないというのがDタイプの人です。
一人で営業活動をすすめていくこと自体が成果に繋がりづらい状態なので、量も質も、まずはやることの難易度を下げてあげる必要があります。
まずは「ここだけはやっていこう」というように、やることを絞って優先順位の調整をし、基本的なことをしっかり丁寧に教えてあげることが必要になってきます。

このように見ていくと、上司の時間の使い方のバランスがとりやすくなってきます。

Dタイプの人にはたくさん時間をかける。バランスを見てAタイプの人への時間のかけ方を減らしていく。
Cタイプの人に関しては目標を握るだけにして、あとはしっかり行動してもらう。
といったように、全体の時間を鑑みた上でそれぞれのタイプの部下への関わり方をアレンジしていきましょう。

見える化されたシートがおすすめ

行動の量や質というのは会議の際に数値で把握できますので、先ほどご説明した4つのタイプの状態が見える化されたシートを作成し、定例会議のたびに人の名前がプロットされる仕組みをおすすめします。

これを毎週の会議を経て定点観測することで、誰がどんな状態かという経過も把握することができます。

それぞれのタイプに対して適切な対策をしっかり打てていれば、たとえば、Dタイプの人数が減ったり、Aタイプの人数が増えたり、プロットされている点が望ましい方向に動くという効果が出てきます。

ぜひこれを営業指導や営業会議の場で活用していただければと思います。

OJTや部下指導高橋浩一