成果があがる営業組織を作りたい

2025.10.08

「どれだけ詰められるか」がクロージングの強さを左右する

「詰める力」がクロージングに強い営業組織を作る

クロージングにおいて重要な「詰める力」とは?

クロージングでは「詰める力」が重要です。クロージングの際に日付や段取りを具体的なレベルで詰められる営業は強いです。今回はクロージングにおいて重要な「詰める力」をつけるために重要なことについてお伝えします。

クロージングに強くなる秘訣は「詰める力」にある

営業現場では、よく以下のようなやり取りが見られます。

上司:「あの案件、いつ決まるの?」 

部下:「今月中に決まると聞いています」

このようなケースでは「今月中」には決まらず、失注してしまうことが多いです。そのような失注を減らすには「今週中」や「今月中」といった曖昧な商談の進め方はしないようにし、「来週金曜日の16時〜18時で開催される役員会議で決裁されます」といったように具体的に「詰める」ことが必要です。

「受注決定予定日」と「その日までの段取り」が見えていない案件は受注率が大きく下がります。特に「提案後の返事待ち」のように「待つ」癖がついていると、スケジュールが曖昧になりがちです。ここを具体的なレベルで詰められるかどうかが、営業組織の強さを左右します。

日付や段取りを明確にできない営業に「受注決定予定日は具体的に書いて」と言っても、本人のスキルがネックとなりできないことが多いです。例えば、以下のようなことで行き詰まることがあります。

  • お客様に具体的な日程を聞くのをためらう
  • 聞いても明確な答えを得られない
  • 段取りを立てられない

これらの状況を打開するカギは「接戦案件における決定場面の振り返り」にあります。

「接戦案件」とは、「やり方次第で受注にも失注にもなり得る難易度の案件」を指します。例えば相見積もりのコンペや、稟議を通すハードルが高い商談などです。そのような案件では、受注または失注が決定した際に「どんなスケジュールで、何が起こっていたのか」を必ずお客様に聞くようにしましょう。

また、「どんなスケジュールで、何が起こっていたのか」のヒアリングは、最初は社内の上位役職者がするようにしましょう。そして、「決定場面」までの出来事を聞いたら、それをメモと工程表に落として「どこが受注または失注の分岐点だったのか」を特定します。

「受注または失注の分岐点」は非常に重要な情報です。しかし、成果が出ずに苦しむ営業はこの分岐点を正確に把握できていないことが多いです。成功事例を共有する営業組織は多いですが、重要なのは「どんなスケジュールで、何が起こるものなのか」を組織全体で学習することです。

「接戦案件における決定場面」に関する組織学習が進んでいくと、組織に「ああ、なるほど、案件が検討・決定されるというのは、裏側でこういう出来事が進むことなのだな」という「腹落ち感」が醸成されます。それにより、メンバーが「アテ」で日付や段取りを適当に書いてしまうリスクが減り、受注決定予定日を厳密に管理できるようになります。

「3つのスキル」を磨いて「詰める力」をつけよう

「詰めが甘い」「詰めがきっちりしている」といった表現はよく耳にします。この「詰め」に関する能力が営業組織にとってどれだけ重要であるかはクロージングの場面で顕著になります。スケジュールやお客様とのやり取りが曖昧では成果に結びつきにくいのが現実です。

「詰める力」をつけるには次の3つのスキルを磨きましょう。

1

お客様の裏側を想像する力

これは、お客様の社内で意思決定がどのように進むかを具体的に想像する力です。若手営業の場合、会社のお金が使われる意思決定のプロセスに立ち会った経験がないことが多く、実際の流れを理解できていないことが多いです。会社における意思決定のプロセスを知らなければ、お客様がどのように動くかを正確に想像することは難しいです。

2

お客様の事情を聞き出す質問力

裏側の事情を知るためには、質問力が欠かせません。ただし、これも自分が経験したことのないプロセスについて質問をする場合、何をどう聞けばよいのか分からず、曖昧なコミュニケーションになりがちです。

3

目の前のお客様を味方につける価値訴求力

目の前のお客様を「味方」にする力、すなわち自社の提案価値を適切に訴求する力も大切です。この力があることで、お客様が自ら社内事情を話してくれる関係性を築くことができます。

まずは「意思決定の流れ」を把握しよう

まず1つ目は、「想像力」です。お客様の社内事情を知るには、意思決定の流れを把握することが不可欠です。しかし、若手営業がその経験を積むのは簡単ではありません。自社の意思決定プロセスを学ぶ場が用意されていない企業も多く、そういった場合はお客様の案件の背景を深く聞き出すスキルを磨く必要があります。

自分が経験したことのないプロセスを相手に尋ねる場合、「雲を掴むような話」になりがちです。それが、お客様の社内事情を聞くのが難しい理由です。

会社の意思決定プロセスを正確に把握するには、接戦の受注案件が決着した直後にお客様にヒアリングをすることが最も効果的です。

このヒアリングも、最初は会社のお金に関することに理解のある上位役職者がするようにしましょう。なぜなら、そのような立場の人の方が、会社における意思決定の流れを具体的にイメージしやすいからです。

意思決定プロセスの中で特に重要なのはスケジュールです。

例えば、お客様の会社で月に1回の経営会議が開催されている場合、2月の会議で承認されなければ、次は1カ月後の3月の会議で再審議される、という流れが考えられます。また、「総論は賛成だけど、各論が気になるね」といった場合は、経営会議とは別の会議体で議論が行われ、そこで承認されて初めて発注に至るケースもあります。このようなプロセスは会社ごとに異なるため、会社ごとに具体的な情報を把握しておく必要があります。

特に若手営業にとっては、会社のお金がどのように扱われているのかをイメージするのが難しいです。この点については上位役職者がサポートし、お客様から詳細な情報を収集して、それを営業組織全体で共有することが重要です。こうした取り組みが、営業組織全体のスキルアップにつながります。

重要なのは「目の前のお客様が直接知らない情報」

2つ目の重要なスキルは「質問力」です。

「どのように意思決定を進められているのですか?」と単純に尋ねても、目の前のお客様がすべてを把握しているとは限りません。例えば、営業がお客様の購買部門の現場担当者と話をした場合、その担当者は案件を社内の上位役職者に渡した後のプロセスについては詳しく知らないケースがあります。その後、上位役職者が経営陣と話を進めるといった場合には、現場担当者に詳細を尋ねても答えが得られないことがあります。

そうした状況で、「そのプロセスを把握している方を紹介していただけませんか?」と依頼しても、すぐには会えない場合もあります。そのため、目の前のお客様とのコミュニケーションだけでなく、お客様の組織全体を理解した上で適切な質問をすることが求められます。

営業においては、目の前のお客様から直接得られない情報を間接的に聞き出す力が必要です。「間接的に聞く」とはどういうことかというと、目の前のお客様が参加していない会議や、詳細を知らないプロセスについてもわかる範囲で概略を尋ねるということです。

例えば、「おおよそで構いませんので、分かる範囲で教えていただけますか?」と質問をすれば、目の前のお客様から「お金を使う話は大体月末の役員会議で決まります」といった情報や、「うちの部長と役員が個別に話して決めるようです」といった答えが得られる場合があります。このような情報を聞き出すことで、お客様の意思決定プロセスの全体像が少しずつ明らかになってきます。このレベルまで情報を収集しておけば、クロージングの際に「詰め」がやりやすくなります。

クロージングを成功させるには、目の前のお客様を味方につけた上で、お客様の意思決定プロセスに食い込んでいく必要があります。目の前のお客様との関係構築が不十分であれば、意思決定のどこかでお客様とのやり取りが滞ってしまう可能性があります。

「待つ」を避けることで商談が前に進む

そこで求められるのが「価値訴求力」です。この価値訴求力とは、目の前のお客様を味方につけ、こちらの提案の重要性を十分に理解してもらう力です。

価値訴求力が不足している場合、目の前のお客様に「上司に確認しておきます」と言われ、営業がそのまま待ってしまうケースがあります。営業が待っていると次第に時間が経過してしまい、お客様が忙しさの中で対応を忘れてしまうこともあります。その結果、双方の間に気まずい空気が生まれたり、連絡が取れなくなったりすることが多いのです。

こうした事態を防ぐには、「こちらが待つ」という状況を避けることが重要です。例えば、「〇月〇日の会議で決まります」とお客様がおっしゃった場合、その会議の終了後に電話で結果を確認するためのアポイントをあらかじめ設定しておくことが効果的です。

営業も忙しいため、他の業務を優先してしまいがちです。しかし、そのようにして「詰める」ことの優先順位を下げてしまうと、やがて状況が不利になり、一定のラインを超えると挽回が難しくなってしまいます。

そのような課題は、多くの営業組織で見られます。営業が忙しいために「詰める」優先順位を下げてしまうと、本来であれば受注できたはずの案件を失注してしまうこともあります。クロージングが強い営業組織を作るには、個々の営業が「待つ姿勢」から脱却し、具体的なレベルまで「詰める」ことを習慣化することが重要です。

TORiXでは、このような営業強化に役立つ情報を、
セミナーやイベントでも頻繁に発信しています。
よろしければぜひご参加ください。

この記事が気になった人は、
こちらのサービスを!

特徴とこだわり

FEATURE

“みんなが売れる”ために、リアリティのある施策を。
TORiXが提供するサービスの特徴やこだわりを、ご説明します。

4万人の支援と、2万人の調査!

誰でも、早めに、成果を提供します!

プロジェクトの事例はこちら!

アクセスランキング

RANKING

  • WEEKLY
  • MONTHLY

まずはお気軽に!

お問い合わせはこちらから