2024.06.04

腹落ちしない「精神論的指導」

精神論的な指導「まずやろう。やればわかる」「沢山やろう。量が質に変わる」は、不特定多数に対する一般論としてはアリですが、職場で上司が部下に1対1でやってしまうとキツイです。

私はそれよりも

①構造を教える

②制約条件とヘルプについて握る

③工夫と発見の会話をする

を勧めたいと思っています。

上司からありがちな指導

職場で行われる精神論的な指導は「まずやろう。やればわかる。それでうまくいった自分が証拠だ」が多いでしょう。

これはn=1のように部下に見えてしまいます。

いわゆる生存者バイアスと言えますが、上司は生き残った側なので自分では気づきにくいのです。

よかれと思って行う指導が、部下にとっては腹落ちしないものになってしまいます。

上司の精神論的指導は、部下からすると逃げ場がありません。

「やるは正義、やらぬは悪」

この構図は、やってみないとわからないようになっているので、やる前に部下から何かを主張すると「最近の若手は腹落ちを求めて、素直に言われたことをやらない。だからなかなか結果が出ない」となってしまいます。

①構造を教える

まず、テレアポの精神と構造について考えてみましょう。

テレアポの精神

「まず50件。かければわかる」

↑↓

テレアポの構造

●お客様は電話がかかってくる前、別の仕事に集中している
●不信・不要・不急・不適の壁がある
●入り口20秒の印象で相手は判断する
●全て断るわけではなく、メリットがあって時間が空いていれば応じてくれる
●ABテストが重要

②制約条件とヘルプについて握る

制約条件とは、例えば電話なら

●電話をかけてはいけない時間
●電話口で話してもよいこと/話してはいけないこと
●電話口のその場で資料を送るのはOKか(あるいは上司に確認を取る必要があるのか)
●他業務との優先順位との兼ね合い

などです。

これらが曖昧だと仕事がしづらいので、はっきりさせておく必要があります。

やり方を教えるか、自分で考えさせるか。

うまくいかないときはどこで介入するか。

指導する側からすると線引きやバランスが難しいです。

なので、部下が「こういうヘルプがほしい」とサインが出せる環境を整えておき、リクエストがあれば支援します。

もちろん、人によってヘルプを求める度合いは変わってきます。

③工夫と発見の会話をする

人から押し付けられた仕事に「楽しさ」や「やりがい」を見出すのは難しいものです。

そのため上司は、部下が独自に工夫や改善できる余地を残しておきます。

そして

●どんな工夫や改善をしたか
●どんな発見があったか

について対話する時間を設けます。

「試行錯誤から何かを発見すること」の楽しさを覚えれば、自発的に動きます。

精神論的な指導は、もし一時的にうまくいったとしても、その部下がやがて人を育てる側になったとき、「同じような精神論的な指導しかできない上司」になってしまうリスクがあります。

時代はどんどん変わるので、後の世にたくましく生き残れるような力を、大切なメンバーには身につけてほしいと思います。

ただし、私は「仕事における精神論」を、世の中一般に対するメッセージとしては否定しませんし、むしろ個人的には「精神こそ大事」だと思っています。

気合も根性もなければ、成果や成長の壁を乗り越えられません。

しかしそれは私が勝手に心の中で思っているだけで、目の前の相手に直接ぶつけるものではありません。

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