営業会議の生産性が劇的に変わる資料とは?

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営業会議の多くは個人個人の報告や共有で終わってしまう

営業活動の支援をさせていただいているという仕事柄、業種業界を問わず、様々な企業の営業会議に参加することがあります。
その際に多く見られる営業会議のパターンは、場を仕切る方と、その他の参加メンバーがいて、一人ずつ進捗報告をしていくというスタイルです。

「いま、目標に対して●●パーセントです。今週の主な動きは●●でした。来週は●●をやります。」

こんな感じで、出席者が順番に報告をしていって、時間があまったら何か議論をしたり、周知事項があったりします。

このように、個人個人の進捗報告や共有がメインで終わってしまい、議論をする時間があまり取れないというのが、多くの営業会議の実態ではないでしょうか。

会議の生産性をあげるための「見える化された資料」

営業会議というのは、営業成績を向上させるための会議です。

効果的な会議が行われると、営業成績に直結します。
逆に、会議内容によっては、成果が上がりづらくなるということにもつながってしまいます。

そこで、営業会議の生産性をあげることが重要になってくるのですが、「会議の仕切り方」も大切ですが、「見るべきものが見える化された資料」がさらに大切だと思っています。

「時間をかけて資料を作るべき」とか、「営業の資料を綺麗に作ることが大事である」ということを言いたいわけではありません。
営業会議の資料は「何がどう見えるように作られているか」ということが非常に重要なのです。

見える化された資料とは?

おすすめの営業会議資料をイメージ図にしてみました。

160905_営業会議の資料

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【1】KGI

1番目はKGI(Key Goal Indicator: 重要目標達成指標)です。
目標達成率は、言わずもがな重要な数値ですが、多くの営業会議では「目標まであと●●パーセントです」という表現をされるのみにとどまっています。

達成率や進捗率も大事ですが、外してはならないのは「このまま同じペースでいったら期末にどこまで達成できるのか」、「そのためのリスクとしては何があるのか」といった情報です。

このKGIに対しては、(達成率や進捗率は、情報としては認識しておくものの)着地見込みで議論をし、リスクとともに見通しを報告するということが重要になってきます。


【2】KPI

目標数値として売上高や受注高がある場合、これを達成するための要素を分解して細かく設定管理していくための指標が、KPI(Key Performance Indicator: 重要業績評価指標)です。
「目標達成のための見積もり提示件数は?」「アポイントの件数は?」「いま平均単価は?」といった数字があります。

そのため、資料でKGIの次に確認・議論すべきはKPIということになります。

KPIに関しては、SFA(Sales Force Automation: 営業のプロセスや進捗状況を管理し、営業活動を効率化するためのシステム)などのツールを導入しているケースも多く、多くの情報量を持つことができるという反面、大事な情報が判断しづらくなってしまうデメリットもあります。

原則として営業会議の資料というのは、口頭による報告がなくても、ビジュアルで状態が分かるものが望ましいので、赤、青、黄色を使って情報を分けていきましょう。

KPIに対して「これは危ない」といったものには赤、「要注意」は黄色、「うまくいっている」は青、といったように、即座に認識しやすい形式、体裁を使っておくことをおすすめしています。

また資料に関しては、細かい説明が必要な項目が増えると、議論の焦点が大事なところに当たりづらくなってしまいますので、その点を注意しましょう。


【3】案件リスト

このKPIについて、うまくいっている/いってないといったことを、より具体的な情報で確認・議論、定性判断していくために必要なのが、3番目にくる案件リストです。

といっても、全部の案件を順番に確認していては、時間がいくらあっても足りません。全部の活動や、全員分の一週間の活動報告を毎回行なうと、どうしても手持ち無沙汰になる人が増えてきますので、案件リストは絞っていきましょう

たくさんある案件の中で、「議論する価値がある案件」、「情報共有する価値がある案件」に絞ってリスト化し、共有や議論を行なってみてください。

KPIや、KGIの数値から営業組織の健康状態のようなものがわかっていると、焦点をあてて議論すべき案件が絞られてきます。


【4】タスクリスト

4番目はタスクリストです。

営業組織であれば、「この週までにみんなで●●をしておこう」「秋に入る前に、重要なクライアントの予算の総額の計画情報を聞いておこう」「年末が終わる前に、この提案は全員出しておこう」など、その時々で「●●をやっておこう」といったアクションの決め事があるはずです。

これについて、「やった」「やらない」を曖昧なままにしてしまうと、営業組織としてのルールや、アクションが軽視されやすくなり、営業組織の運営がうまく回らなくなってしまいます。

今、何をやるべきなのか、何ができていて何ができていないのか。
「やっている」「やっていない」が客観的にわかるように「見える化」します。
そのために4番目のタスクリストを作っておきましょう。

「見える化」で手持ち無沙汰の会議がなくなる

このように、1、2、3、4、それぞれでに別の目的があります。

【1】KGI・・・「対目標でどれくらい順調ですか?」という着地見込み
【2】KPI・・・目標を分解した時の順調不調を細かく可視化したもの
【3】案件リスト・・・定性的に議論、共有をすべきもの
【4】タスクリスト・・・組織としてやるべきことがなされているかどうかを確認するもの

これらがしっかりと「見える化」された状態で営業会議を進めることができると、個人個人が順番に進捗報告をして、発表者以外の方々が手持ち無沙汰で終わってしまうというような会議がなくなります。

営業の方々が集まる貴重な営業会議という場の効果を最大化させるために、是非参考にしていただければと思います。