提案ロジック構築力について(中編)

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提案ロジック 構築力における「お客様が当社を選ぶ理由」を考える際の3ステップ

提案ロジック構築力について(前編)
提案ロジック構築力について(後編)

 

認知的不協和理論に基づく、お客様が選ぶ理由の基本的な作り方をこれから説明していきます。


まず前提として、「いま、自分が提示している選択肢」を認知Aとし、認知Aに対立する選択肢を認知Bとします。
この場合、認知Aと認知Bは両方同時には採用できないという構造になっている必要があります。

例えば、認知Bには競合の提案が入ったり、自前でやる(外部の会社には頼まない)といった選択肢が入ったりするわけです。


基本プロセスとしては大きく3つのステップがあります。

【ステップ1】対立する2つの認知について、メリットとデメリットを明らかにしていく

Aのメリット・デメリットを書き出し、Bのメリット・デメリットを書き出します。
この場合、AのデメリットがBのメリットになるということもあるでしょうが、すべてが重複するわけではないので、構わずそれぞれ書き出すようにしましょう。

 

【ステップ2】ロジックのもとになる材料を作る

まず、Aのメリットを後押しする根拠をできるだけたくさん書き出しましょう。これを「Aのメリット材料」とします。
次に、Aのデメリットを解消するアイデアをできるだけたくさん書き出します。これは「Aのデメリット解消策」となります。

 さらに、BのメリットはAでもこうすれば享受できるという根拠をたくさん書き出します。これが「Bのメリット融合策」です。
最後に、Bのデメリットを後押しする根拠をできるだけたくさん書き出します。これは「Bのデメリット材料」とします。

これで、4つの材料が出そろいました。

 

【ステップ3】これらの材料を組み合わせて、お客様が選ぶ理由を構成する文章にする

「Aのメリット材料」
「Aのデメリット解消策」
「Bのメリット融合策」
「Bのデメリット材料」
この4つを組みあわせて文書にするわけですが、お客様が選ぶ理由を構成する文章は「誰かに伝える」文体で書きます。

 

これについては、4つのバリエーションを作る必要があります。

1つ目は、当社に対する採用理由です。
2つ目は、競合に対して断る際の理由です。
3つ目は、担当者の上司に対して採用を決定した旨の報告です。
4つ目は、担当者自身が自分の心の中で納得するための独り言です。

提案ロジック

提案ロジック

「他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か?」の作り方

それでは、3ステップからなるこの基本的なプロセスを、実際のパターンにあてはめて考えてみましょう。

「他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か?」
「外注せずに内部でやるという選択もあるのになぜ当社か?」
「先延ばしにしてもいいはずなのに、なぜ今なのか?」

それぞれについて考えていきたいと思います。

例示するビジネスモデルは、新規事業立ち上げを支援するコンサルティング・サービスで考えていきます。

 

まずは、「他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か?」から考えていきます。
この場合、仮に2社でお客様が迷ったとすると、どちらかを選んでどちらかを断ることになります。


ステップ1として、当社のメリット・デメリットと、競合のメリット・デメリットを書き出しましょう。


そしてステップ2です。当社のメリットを後押しする根拠をできるだけたくさん書き出し、これを「当社のメリット材料」とします。

当社のデメリットを解消するアイデアもできるだけたくさん書き出します。これは「当社のデメリット解消策」ですね。

さらに、競合のメリットは当社でもこうすれば享受できるという根拠をたくさん書き出し、これを「競合のメリット融合策」とします。

そして、競合のデメリットを後押しする根拠をできるだけたくさん書き出し、これが「競合のデメリット材料」となります。


ステップ3では、4つの材料を組み合わせて、「当社に対する採用理由」「競合に対して断る際の理由」「担当者の上司に対して採用を決定した旨の報告」「担当者自身が自分の心の中で納得するための独り言」をそれぞれ文章にしていきます。

提案ロジック

提案ロジック

残りの「外注せずに内部でやるという選択もあるのになぜ当社か?」「先延ばしにしてもいいはずなのに、なぜ今なのか?」については、後編で取り扱っていきます。

提案ロジック構築力について(前編)
提案ロジック構築力について(後編)