購買プロセスには多様な関係者が存在します。現場の利用者、社内推進者、発注担当者、予算の監督者、決裁者への影響者、そして最終決裁者。それぞれが異なる役割を持ち、異なる視点で購買に関与しています。
当社が実施した「購買行動の詳細調査」(2025年6月実施、有効サンプル数2,676)から、興味深い事実が明らかになりました。
「課題認識」の段階から、既に半数以上のケースで各関係者が関与していること。「現場の利用者」「社内推進者」の4割以上が購買経験1~2回と経験が浅いこと。そして、どの役割の関係者も「予算の制限」を最も深刻な課題として捉えていることです。
さらに驚くべきは、どの役割においても「自分の意見で実質的に決まる」と回答した人は3割~5割弱に留まり、購買決定がいかに複雑なプロセスであるかが浮き彫りになりました。
営業現場でよく聞かれる「決裁者に会えない」「予算がないと言われる」「競合他社に負けてしまう」といった課題。実はこれらの背景には、「組織の購買プロセスと各関係者の役割を理解できていない」という根本的な問題があるのです。
今回は、「購買における役割」から見た実践的なアプローチをご紹介します。