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2025.09.01

お客様の判断軸は3つのタイプによって異なる

論理タイプ・感情タイプ・政治タイプごとの購買における判断軸を把握しよう

タイプによってお客様の判断軸は異なる

お客様の判断軸は論理タイプ・感情タイプ・政治タイプによって異なります。そのため、タイプによってアプローチの仕方を変えることが有効です。今回は論理タイプ・感情タイプ・政治タイプごとの判断軸についてお伝えします。

タイプごとに購買の判断軸は変わる

論理タイプ・感情タイプ・政治タイプそれぞれによって、判断軸へのこだわりが異なっています。全体的に、価格関連へのこだわりが強いのが論理タイプです。政治タイプは性能のフィット感にこだわります。感情タイプは判断軸が分散しており、捉えづらくなっています。

論理タイプ・感情タイプ・政治タイプというのは、当社代表の高橋が『営業の科学』(かんき出版)の中で「購買者の意思決定における考え方の違い」として取り上げたものです。

営業の科学 セールスにはびこるムダな努力・根拠なき指導を一掃する

高橋浩一

今回、当社は2,676人を対象とした定量調査を実施しました。その中で論理タイプ・感情タイプ・政治タイプで分けた時にどのような違いが見られるかを分析しました。

前提として、今回対象とした2,676人の回答者はいわゆるエンタープライズ営業へのアプローチを考えるために意図的に大企業の方の割合を増やしています。具体的には4割から5割の方が大企業となっており、政治タイプの方が『営業の科学』(かんき出版)で取り上げた調査において実施した時よりも増えています。企業の規模が大きくなると政治タイプが増えるというのは『営業の科学』(かんき出版)で調査した時も同様の傾向がありました。

論理タイプというのはどちらかというと自分の意見と他人の意見だったら自分の意見で決めたいというタイプです。ただし、どちらかというと理屈やロジックで決めます。感情タイプは、自分の意見で決めたいけれども、気分とか自分の思うがままに感覚で決めたいというタイプです。政治タイプは、自分の意見で決めるというよりもみんなの意見で決めたいというタイプです。

タイプごとの違いを把握しよう

表の縦軸は検討初期・検討中期・検討後期というふうに分かれており、検討初期というのは課題を認識して情報収集をし始めるタイミングを指します。検討中期というのは要件が定まってベンダーから提案をもらい始めるタイミングです。そして、検討後期はベンダーから提案をもらって最終的に決めるまでの期間となっています。横軸には「発注決定する際の判断基準で最も重視していること」の選択肢を入れてます。

全体を見ると、左半分に色の濃いものが目立ちます。「価格が他社より安いか」「費用対効果に納得できるか」「製品やサービスの品質・性能が自社に合っているか」です。色は赤が「12.5%以上」、オレンジが「10%以上12.5%未満」、ピンクが「7.5%以上10%未満」となっています。

「費用対効果に納得できるか」ということはどのタイプでも共通してスコアが高いです。しかし、その中でも感情タイプは若干スコアが低めになっています。

「価格が他社より安いか」は論理タイプが検討初期・中期ともに少し高めに出ています。検討後期については論理タイプと政治タイプはほぼ同じスコアになっています。感情タイプは他の2つのタイプに比べると若干低めです。

この辺りを見ると、論理タイプは他の2つのタイプに比べると価格や費用対効果への感度が高いと言えます。

それに対し、政治タイプは「性能の合致度」(「製品やサービスの品質・性能が自社に合っているか」に対するこだわりが強いと言えます。「安全策を取りたい」というのは政治タイプの特徴です。

また、政治タイプは「自社の課題を的確に捉えているか」について検討初期のスコアが少し高めに出ています。そのため、「課題に合っていて、うちにぴったりだな」と思えるものを最初の段階で重要視する傾向があると言えます。「自社の課題を正確に捉えていて、製品やサービスの品質・性能も合っている」というのは他の人から反対されにくいため、政治タイプが好むというふうにも言えるでしょう。

感情タイプは赤とオレンジがついているものが費用対効果以外にありません。つまり、費用対効果を除けば軒並み10%未満であるということです。これは「判断軸が分散している」ということになります。

タイプごとにアプローチを変えよう

では、どのようにして相手のタイプを見ながらお客様に応じた適切なアプローチをとっていけばいいのでしょうか。

まず大前提として、あくまでもこの論理タイプ・感情タイプ・政治タイプというのは調査者側の都合で定義をしているものです。人はシンプルに3つの分類に分られるかというと、そうではありません。例えば、政治タイプの中でも論理タイプ寄りの方もいるでしょうし、感情タイプ寄りの方もいらっしゃるでしょう。

そのため、「このタイプには絶対こうすれば良いんだ」というよりも、自分のアプローチが少しずれていると感じた時に、「少しアプローチを変えた方がいいのかもしれない」と考える際の参考にしていただくというのが一番良い使い方です。それを踏まえた上で、各タイプへのアプローチを考えるようにしましょう。

まず、論理タイプと感情タイプは自分の意見がはっきりしています。自分の意見を発表したり、主張したりする傾向があるのです。周りに関係者がいたとしても、自分の意見で決めたがる傾向があります。

自分の意見や主張が強い中で理屈寄りなのが論理タイプ、感覚寄りなのが感情タイプということです。逆に、周りに人がいたら自分の意見よりも他の人が考えることに配慮するのが政治タイプです。

それらを踏まえた上で、「うまくかみ合わないな」と感じた時にアプローチを変えてみるのです。相手のお客様が論理タイプだと感じたら「お得感」を押し出したり、スコアが少し高く出ている「性能の合致度」(「製品やサービスの品質・性能が自社に合っているか」)を伝えたりするのです。

政治タイプであれば「いかにこれが御社にマッチしているか」ということを事例や客観的な情報から伝えることが有効でしょう。

難しいのは感情タイプです。感情タイプは「何に惹かれるか」が読めないところがあります。そのため、訴求するポイントを少しずつ変えてリアクションを見るというのが良いでしょう。商談でお客様が「感情タイプかな」と思ったら、1つのポイントで響かなかった場合にそれを押し付けるのではなく、「実はこんな側面もあるんですよ」と別の側面からアプローチするというイメージです。

今回は論理タイプ・感情タイプ・政治タイプの3つのタイプにおける判断軸についてお伝えしました。ぜひ、皆様の営業活動にお役立てください。

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