社内の営業人材育成を推進したい

2025.10.01

お客様にとって「営業の重要性」は「営業の実力×お客様目線」で決まる

「営業の実力」と「お客様目線」で「サイレント失注」を防ごう

「サイレント失注」を防ぐには?

営業活動をしていると、お客様から「検討しますのでお待ちください」と言われることがあります。そして、そのまま待っているうちに案件が消滅してしまうことを営業の間ではよく「サイレント失注」と呼びます。今回は「サイレント失注」を防ぐ方法についてお伝えします。

「待つ」をやめるだけで受注率は上がる

弊社が実施した「お客様1万人調査」によると、「検討しますのでお待ちください」と「営業をシャットアウトした経験がある」というお客様は7割を超えます。

しかし、お客様に「検討しますのでお待ちください」と言われても、「本当に可能性がなかった」というケースはわずか13.7%しかありません。

実は、お客様の「検討しますのでお待ちください」という台詞は、「何となく、待ってほしいと言っただけ」というケースが多いのです。お客様は小さな不満があっても、それをわざわざ言葉にすることはあまりありません。そのため、営業はお客様の裏にある背景や文脈を理解した上で、お客様との間に接点を作る必要があります。

お客様との間に接点を作る一番シンプルなやり方は「応えなくても怒られないレベルの小さな宿題」をもらい、それに応える口実として営業からお客様にコンタクトを取るというものです。そのためには、商談の際に「お客様が知りたいこと」について聞いておくようにしましょう。

「お客様1万人調査」からも明らかなように、お客様に「検討しますのでお待ちください」と言われた後でも、時間が経てば再度アプローチできることは非常に多いです。その際は「強引な連絡で嫌がられる」ようなことがないように、普段からこまめにお役立ち情報を送るようにしましょう。お役立ち情報を送ることで、お客様との間に接点を作ることができます。

お客様が小さな不満を言葉にできていないとき、「なにか気になる点はありませんか?」といったようなオープン・クエスチョンをするだけでは不十分なことがあります。そこで、「◯◯については、他にもやり方がありまして…」といったように、他のオプションを提示するというやり方も時には有効です。

「検討しますのでお待ちください」と言われてもそのまま待つのではなく、なにかしらのアクションを試みる価値はあります。また、接戦案件を簡単に落とす癖がついているとここで粘ることができないので、注意が必要です。

「サイレント失注」を防ぐには?

「検討しますのでお待ちください」とお客様から言われ、待っているうちに案件が消滅してしまうことを営業の間ではよく「サイレント失注」と呼びます。

サイレント失注とは、営業からのアクションに対してお客様が「スルー」をすることです。例えば、以下のようなことが挙げられます。

  • 返事をする必要があるのに返さない
  • 送られてきたメールに返信しない
  • 電話がかかってきても出ない

では、お客様はどのような状況でスルーをするのでしょうか。

それは、「営業の優先順位が低くなっているとき」です。

どのようなお客様も、基本的には忙しいです。しかし、例えば電話にも出れず、メールにも返信できないというレベルで「忙しい」というのは、現実にはあまり多くありません。

というのも、お客様は「忙しい」といっても他のことではリアクションをしたり、コミュニケーションを取ったりしているからです。つまり、お客様は「全く仕事ができていない」というわけではなく、「他のことには時間を割いているけれど、あなたには時間を割けません」という状況だからです。

以上を踏まえると、サイレント失注を防ぐためには、お客様にとって「時間を割いてでも対応する価値がある存在」になることが重要であると言えます。

では、お客様にとって「営業の重要性」はどのように決まるのでしょうか。

それは、「営業の実力」と「お客様目線」という2つの指標です。この2つの要素の掛け算が、お客様にとっての「営業の重要性」になります。

重要なのは「営業の実力」と「お客様目線」

「営業の実力」はお客様から見たときに「この人は信頼できる」「軽視できない」と思われるかどうかに直結します。実力のある営業は少数であり、そのような営業はお客様にとって大切にされる存在です。

しかし、ただ実力があるだけでは不十分です。たとえ実力があったとしても、もしその営業が自分本位にお客様が望まないものを売り込んだり、お客様が求める方向性とは全く異なる提案をしたりしてしまうと、お客様はその提案を受け入れることはできません。

「営業の実力」と「お客様目線」はどちらも重要であり、どちらかが欠けると価値は低くなります。掛け算で考えると、片方がゼロになれば結果もゼロになり、どちらかが低いと最終的な価値も非常に小さくなってしまうのです。

これが足し算であれば、一方の不足をもう一方が補う形で挽回ができるかもしれません。しかし、掛け算である以上、どちらも一定の水準を保つ必要があります。

では、「営業の実力」とは具体的に何を指すのでしょうか。これは一言で言えば、「お客様を成功させられる力」です。営業がどれだけ知識を持っていても、それがお客様の成功に結びつかなければ、お客様にとっては実力があるとは言えません。

単に商品やサービスを提供することがお客様の成功に繋がるわけではありません。それ以上に重要なのは、お客様が抱える課題を解決したり、お客様が実現したいことを達成する手助けをしたりすることです。営業は商材を扱っているため、最終的にはその商材を通じて解決を図ることになりますが、お客様にとっては商品やサービスはあくまで手段にすぎません。

お客様が本当に重視するのは、「自分の抱える問題が解決するのか」「自分のやりたいことが実現するのか」という点です。それを実現できるかどうかが、営業の真の実力と言えます。

同時に、「お客様目線」も欠かせません。お客様のニーズを深く理解し、そのニーズに応じた適切な提案を行う姿勢が求められます。この視点が欠けていると、どれだけ実力があってもお客様の共感を得ることは難しくなります。

「営業の実力」と「お客様目線」を兼ね備えていれば、その掛け算によってお客様にとって非常に価値のある存在となります。しかし、どちらか一方でも欠けると、その価値は著しく低下するため、両者をバランスよく磨いていくことが必要です。

「もしもシリーズ」で「営業の実力」を示そう

お客様に「営業の実力」をどのように示すか、これは非常に重要な課題です。その最もシンプルな方法は、「もし私があなたの立場だったら、こうやって成功させます」という具体的なストーリーを語ることです。弊社ではそれを「もしもシリーズ」と呼んでいます。

例えば、「もし私が明日あなたの会社に転職したら、こんな行動をして成果を上げると思います」といった内容を伝えます。その提案が具体的で説得力があり、お客様から「確かに、それをやった方が良いですね」と共感を得られれば、お客様は「この人は私を成功させる実力がある」と認識します。つまり、営業がいざお客様の立場に立ったときに、具体的な成功の道筋を描けるかどうかが重要なのです。

そのためには、営業自身がお客様の業務について深く理解している必要があります。お客様の業務に詳しくなることで、「もし自分がその立場だったら、どう課題を解決するか」を現実味を持って語れるようになるのです。

では、どうすればそれができるようになるのでしょうか。

それは、「自社のサービスで成功しているお客様から学ぶこと」です。

まず、自社の取引先一覧を見直し、特に成功しているお客様に注目します。そして、そのお客様がどのように成功しているのかを、自社の商品やサービスに直接関係のない情報も含めて収集します。

ここで重要なのは、自社のサービスや商品に関連しない部分にも注目することです。自社の商品やサービスは、あくまで成功のための手段に過ぎません。お客様がどのようなプロセスや戦略で成功を収めているのか、その全体像を把握することが重要です。

そのようにして得た知見は、お客様と会った際に「どうすれば成功できるのか」の具体例として語ることができます。それによってお客様からの信頼を得るだけでなく、「営業の実力」を示すことにもなります。

商材ではなく「お客様の課題」に焦点を当てよう

次に、「お客様目線」についてです。

お客様目線とは、大きく分けて2つの要素に分類できます。

「お客様目線」の2つの要素

  • ①「お客様の課題を解決したい」という姿勢を持っているか
  • ②提案がお客様の業務の優先順位にどれだけ合致しているか

まず、「売り手都合」と「お客様目線」の違いについて考えてみます。営業が「自分の成績を上げたい」というスタンスではなく、「御社のお役に立ちたい」「課題を解決したい」という姿勢を見せることで、お客様はその提案に時間を割きたいと思うようになります。そのような姿勢があると、お客様の中ではその提案の優先順位も自然と上がります。

しかし、お客様が時間を割きたいと思ったとしても、営業がお客様の業務の優先順位を把握し、それに沿った提案をすることができなければ、お客様からするとその提案の優先順位は下がってしまいます。そのため、営業はお客様の業務全体の優先順位を把握することが重要です。

弊社では営業がお客様にヒアリングをする際に、「自社のサービスは一旦脇に置いて、お客様が抱えている課題はなにか」を把握するようにしています。まずは自社のサービスを脇に置いておき、純粋に「お客様が何に困っているのか」を聞くという姿勢を徹底しています。そうすることでお客様が抱える課題や全体の優先順位を理解し、それに基づいた提案をすることができるようになります。

このように、「お客様目線」を意識した提案をすることで、営業としての信頼性が高まります。そして、「営業の実力×お客様目線」という2つの要素の掛け算によって、お客様がどれだけその営業を大事にしたいと感じるかが決まるのです。

もし、この2つの要素のどちらかが欠けていれば、お客様の優先度は下がり、結果的にサイレント失注につながる可能性が高くなります。これが、今回お伝えしたいポイントです。

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