成果があがる営業組織を作りたい

2025.09.26

メンバーを成長させるカギは「事実に基づいた対話」にある

「事実に基づいた対話」で組織のパフォーマンスを上げよう

なぜメンバー育成では「事実に基づいた対話」が重要なのか?

メンバーが思うように動いてくれないことに悩む上司は多いようです。そこで重要なのは「説得」をすることではなく、「事実に基づいた対話」をすることです。今回は「事実に基づいた対話」を通じてメンバーを育成し、組織のパフォーマンスを上げる方法についてお伝えします。

メンバー育成で重要なのは「事実に基づいた対話」

上司の主観に基づいた説得や指導は、残念ながらメンバーの心に響くことはほとんどありません。それにも関わらず、多くの上司はこの現実に気づかず、あるいは受け止めきれないまま、「効果のない説得や指導」を繰り返します。そして最終的には「何度言っても変わらない……」と嘆く結果を招いてしまいます。このような悪循環を断ち切るカギは、「事実に基づいた対話」をすることにあります。

弊社の実施した「営業1万人調査」では、成果を上げられるようになったきっかけとして「上司からのアドバイス」は非常に低い結果となりました。つまり、上司のアドバイスによって劇的な変化が生まれるというのは幻想に過ぎないということです。上司に求められるのはアドバイスをすることではなく、メンバーが成長できるように「お膳立て」をすることです。

メンバーからすれば、「自分の意見と異なる上司の意見」を押しつけられたら、「時代が違う」「お客様が違う」といったように自分を正当化しようとしたくなります。そのため、メンバーの考え方に影響を及ぼすには「上司の主観」ではなく「客観的な事実」を提示することが必要です。

メンバーの思い込みに対して「それは違う」と否定してしまうと、メンバーは耳を傾ける姿勢を失ってしまいます。また、「わからせよう」とする行為そのものが、メンバーからすると心の底では脅威に感じられ、防衛的な回避行動を引き起こしてしまうのです。こうした事態を避けるためには、まず「現実の確認」から始めることが大切です。感情を交えず、事実に基づいて真実に向き合うことで、メンバーとの信頼関係が構築され、より効果的な指導へとつながります。

対話をすることで「納得感」が生まれる

どんなに努力をしても、人の考えを完全に変えることは難しいです。もちろん、組織のルールや会社上の権限を使えば、形式的には従わせることは可能です。しかし、相手が「腑に落ちない」「腹落ちしない」といった状態では、パフォーマンスも上がりません。

「事実に基づいた対話」では、例えば「この商談でお客様がこう言っていた」といった具体的な事実をもとに「これについて話してみましょう」と対話をするのです。

その事実に対してお互いがどのように考えているかを言葉にして交換すると、一致している点や、意見が異なる点が浮き彫りになります。また、同じ事実を共有しているつもりでも、自分と相手では捉え方が全く異なっていることに気づく場面もあります。「そんなふうに考えていたのか」と驚かされることも珍しくありません。

こうした対話を通じて最終的に目指すのは、「100%納得できるわけではありませんが、◯◯さんのおっしゃることはわかりました」と思ってもらうことです。この状態になるまで話をした場合と、対話を経ずにいきなり「こうしてください」と言った場合とでは、大きな違いがあります。対話を重ねた上での「わかりました」という返事には、相手の中に一定の納得感が生まれているからです。そしてその納得感があれば、最終的には組織のルールに従って行動してもらうことも可能になります。

対話では率直な意見を言い合おう

健全な組織であれば、上司が「こうしてほしい」と指示を出せば部下がその通り動くというのは基本的には機能します。しかし、対話のプロセスを省略して「とにかく言うことを聞け」という押し付け型のアプローチをしてしまうと、どうしてもパフォーマンスが下がってしまいます。事実を基にした対話は時間はかかるものの、相手の理解が深まり、結果としてそれをしなかった場合よりもパフォーマンスが上がるのです。

実際、数カ月後になって「◯◯さんがあのときおっしゃったことがわかりました」とメンバーから言われることもあります。これは「ただ従いなさい」と強制したり、「私の経験ではこうだ」と主観をぶつけたりするだけでは起こり得ないことです。同じ事実を土台にして意見を交わす対話をするからこそ、相手の中で理解が深まるのです。

まずは話し合いの材料となる「事実」をしっかりと見定め、その事実に基づいて話し合いの場を設けましょう。意見や認識、解釈に違いがあるのは当然なので、それをお互い率直に出し合うことが重要です。そして、十分に話し合った上で、最終的には組織のルールや方針に従ってもらうのです。

「あなたの好きに任せるよ」「思った通りにやっていいよ」と全員に対して言ってしまうと、組織の統制が取れなくなります。一方で、「ルールだから従ってください」と押し付けるだけでは、組織やメンバーが長続きしません。だからこそ、対話が非常に重要なのです。

上司に求められるのは「一緒に考える姿勢」

上司としてはどうしても「自分の言っていることは正しい」と思ってしまうものです。経験が豊富で、過去に成功した実績があるからこそ、つい「君はまだ結果を出せていないのだから、成功した私の意見を聞くべきだ」と言いたくもなります。しかし、特にここ数年の営業現場の変化を見ていると、過去の成功体験がそのまま通用することはほとんどないと言えるのもまた事実です。

したがって、現代の営業現場で上司に求められるのは、メンバーが直面している問題についてリアルタイムで一緒に考え、解決策を模索していく姿勢です。一方的な指示ではなく、共に考え、共に動く。このようなアプローチが、これからの営業現場では重要になります。

「自分はこうやって上手くいったから、同じようにやればいいんだ」といった抽象的なアドバイスで上手くいくのであれば、こんなに楽なことはありません。そのため、上司もメンバーやチームが抱える課題に一緒に向き合い、共に考えていく姿勢が重要です。無理矢理説得したり、論破したり、あるいは強制的に従わせるというやり方をすると、結果として組織全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。

だからこそ対話が重要なのですが、対話には悩ましい点もあります。それは、時間がかかることです。営業現場に限らず、現代社会は「忙しい」という状態が常態化しており、その中で対話のための時間をどれだけ優先できるかが問われます。結局のところ、忙しさを理由に対話の時間を軽視してしまうと、強い組織を作るチャンスを逃してしまうのです。

どれだけ早く仕事をこなしても、全く暇になるということはありません。その中で時間の使い方を見直し、対話の優先順位を上げることが強い営業組織を作ることに繋がります。その選択が、結果的に組織の成長に大きく影響するでしょう。

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