営業メンバーのスキルを上げたい

2025.07.09

「細部まで詰める営業」がお客様の信頼に繋がる

「接戦状況を問う質問」でお客様の本音を聞こう

お客様の本音を聞くには?

商談の終盤にお客様に「ご感触はいかがですか?」と尋ねても、はぐらかされてしまうことがあります。そのような場合、主観的な情報ではなく客観的な情報を聞くことが有効です。今回は「接戦状況を問う質問」でお客様の本音を聞く方法についてお伝えします。

重要なのは「客観的な情報」を聞くこと

今回は「接戦状況を問う質問」でお客様の本音を聞く方法についてお伝えします。

「お客様の本音がわからない」という営業の難しさに直面することは珍しくありません。提案して感触が良さそうだったのに、結果的には失注してしまうことはよくある話です。「弊社からの提案についてご感触はいかがですか?」と尋ねても、お客様のリアルな声は得られないことが多いです。そこで重要になるのが、主観的な情報ではなく客観的な情報を聞くことです。

特に日本人は自分の感想を自由に表現することに慣れていないため、人の目を気にして遠慮がちになることがあります。また、自分の意見が会社の公式見解と見なされることを避けたいと感じたお客様は、「後でご連絡します」と言って話を濁すことが多いです。

そうした状況を打破するために効果的なのが客観的な情報を聞くことです。例えば、「当社から見積もりをお出しした後は、すぐにご判断されるのでしょうか?」と時間に関連付けて質問することで、お客様の判断プロセスがより明確になります。その反応からは次のように戦況が見えてきます。

  • 「上司がOKなら大丈夫ですよ」→楽勝案件
  • 「すぐには決まりませんね」→接戦案件
  • 「え?(当て馬なのに)」という驚いた表情→惨敗案件

このように「接戦状況を問う質問」を通じて接戦案件であることが明らかになれば、どこについて迷っているのかを聞きやすくなります。そうすれば、率直な感想ももらいやすいです。受注に向けた具体的なアクションの算段も立てることができるようになります。

「細部まで詰める」ことで信頼を勝ち取ろう

弊社代表の高橋は、買い手として印象に残る体験をしました。以前、あるサービスの導入を検討していた際に、新卒の営業の方とマネジャーの方が2人で商談にいらっしゃいました。弊社のような小規模な会社だと、新卒の方が担当になることも珍しくありません。

商談が始まり、基本的な説明とヒアリングが終わりました。そして、商談の終盤で非常に印象的なやりとりがあったのです。説明とヒアリングが一通り終わった後、「この提案についてどう思われますか?」と質問されました。高橋はすぐに決められないので「ちょっと考えます」と答えたところ、すかさずその新卒の営業の方が次のように聞いてきたのです。

営業パーソン

高橋さん、「ちょっと」とおっしゃいましたけれども、「ちょっと」というのは具体的にどれくらいでしょうか?

高橋は1年目の方からこのように質問されて驚きながら、「そうですね、1週間ほどですかね」と答えました。その後のやりとりは以下のようなものでした。

営業パーソン

1週間ということは社内で話し合う機会があるのでしょうか?

高橋

毎週月曜日に定例ミーティングがあるので、その時にメンバーと話す予定です。

営業パーソン

そのミーティングの時間は午前ですか?午後ですか?

高橋

いつも13時から定例で話しているんです。

営業パーソン

では、ミーティングが終わった頃にご感触を伺いたいのですが、お電話させていただいてもよろしいでしょうか。何時頃がご都合よろしいですか?

高橋

そうですね、長くても2時間はかからないので、15時であれば大丈夫だと思います。

営業パーソン

では、何月何日の15時にお電話させていただきます。

そして、その後のお礼メールでも「何月何日15時にお電話します」と書かれていたのです。そして当日、15時ちょうどにお電話がありました。高橋はそのきっちりとした対応に感銘を受けたと言います。

その電話で「どうでしたか?」と感想を聞かれ、あまりにクロージングがしっかりしていたため、高橋は思わず次のように質問しました。

高橋

こういった対応は、隣にいらっしゃったマネジャーの方が教えてくださっているのでしょうか?

すると、次のような返答がありました。

営業パーソン

はい、そうです。こういうことは、会社全体でやっております。

高橋は「こういったことを全体で徹底していることが営業組織の強さに繋がっているのだと感じた」と言います。

高橋がこの体験を通して感じたのは、決して「しつこい」とは思わず、むしろ「ここまできちんとしているなら、この方は仕事ができる人だ」と信頼感が増したことです。同じ依頼をするなら、きちんとした対応ができる人に任せたいと思ったのです。細部まで詰めてくる対応には頼りがいがあり、安心感を持てたのです。

お客様に「本音を伝えた方が良い」と感じてもらおう

「この営業はしっかり仕事をしてくれる」とポジティブに評価されると、より具体的な感触を教えていただけることが多くなります。

買い手側の立場に立ってみると、営業から質問された際、特に理由があるわけではなく「少し考えます」とその場をはぐらかすことがあります。これは決してネガティブなことを感じたからではなく、ただ「なんとなく」そう言ってしまうのです。しかし、そうした曖昧な返答に対して、しっかりと踏み込んで質問をされると「この営業は適当にはぐらかせない」と感じ、自然と気が引き締まります。

こうしたやり取りを通して、「この方はまた具体的に聞いてくるだろうから、最初からきちんと答えた方が良い」と思うようになるのです。

今回のポイントに関連づけてお伝えしたいのは、お客様に「本音を伝えなくても大丈夫だと思われている営業」になってしまっていないかということです。お客様が営業に対して一定の敬意や信頼を持っていれば「ちゃんと伝えた方が良い」と思ってもらえるはずですが、それがない場合、お客様は条件反射的にはぐらかしてしまうのです。

このように考えると、営業として何をすべきかが見えてきます。それは、「お客様に対して、こちらのレベルをしっかりと示す」ということです。「こちらのレベルをしっかりと示す」ということは、「この人には曖昧に答えてはいけない」とお客様に感じてもらうことです。

もちろんそれはお客様に威厳を示して優位に立とうとすることではありません。そうではなく、「この人は信頼できるし、きちんと仕事をしてくれる人なんだな」と感じてもらうことです。そうすることで、お客様も「はぐらかすより、正直に伝えた方が良いな」という気持ちになるのです。

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