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2025.06.24

「採用しやすい提案書」には「作り方」がある

お客様が採用しやすい提案書を作る方法

お客様が採用しやすい提案書を作るには?

お客様が採用しやすい提案書には作り方があります。今回は営業の提案書をお客様が採用しやすいように磨き上げる方法についてお伝えします。

営業の提案書を激変させる方法

営業の提案書を激変させるには以下の方法が有効です。

まず「この提案が他の選択肢より優れていて、今すぐに買うべき理由」を2〜3行でノートに書きます。

例えば、「御社の課題を弊社のサービスは解決でき、他社サービスより費用対効果が高い。リスクを抑えて始められるので、早く利用開始したほうがメリットが大きい」という理由があったとします。

まずは2〜3行で書いた文章をそのまま分解して、箇条書きの番号を振ります。

  • ①御社の課題
  • ②当社のサービスは解決できる
  • ③他社サービスより費用対効果が高い
  • ④リスクを抑えて始められる
  • ⑤早く利用開始したほうがメリットが大きい

次に、分解した要素についてお客様の立場に立って「お客様が知りたいこと」の観点で疑問文に置き換えます。

  • ①当社の課題は要するに何か?
  • ②御社のサービスがどう解決してくれるのか?
  • ③他社サービスより費用対効果が高いのは本当か?
  • ④リスクを抑えて始められるのはなぜか?
  • ⑤早く利用開始するとどのぐらいメリットがあるのか?

上記の①〜⑤について、提案資料で該当するページの右上に番号を振っていきます。

さらに、ページの中で該当する内容を書いている部分に線を引きます。

次に下記のチェックポイントに沿って考え、資料を修正していきます。

  • お客様が知りたいことがそもそも資料に書かれているか?
  • お客様が知りたいことは見やすいところに書かれているか?
  • お客様が知りたいことに対して、納得感が深まるように書いてあるか?
  • お客様が知りたいことに答えた内容を要約している1ページはあるか?
  • 「お客様が知りたいこと」とは関係ない情報がノイズになっていないか?
  • そもそも「この提案が他の選択肢より優れていて、今すぐに買うべき理由」は適切か?

この観点で提案書を見直していくと大変です。ただ、1回でもこのプロセスをやってみると提案書を書くときの感覚が変わります。

「翻訳力」でわかりやすい提案書を作ろう

提案書をより良くするのに必要なのは「翻訳力」です。

取引においては一方に価値を提供する側があります。つまり、売り手側です。売り手側が「お客様にこのように役に立てます」と提案するのです。そしてもう一方には、その提案を受け取るお客様がいます。わかりやすい言葉を使ってこの両者を繋ぐ力。それが「翻訳力」です。

なぜ、提案書はお客様に伝わらないのでしょうか。

その要因として挙げられるのが「情報ギャップ」です。お客様と営業では所属する会社が異なり、普段目にする情報や組織の文化、雰囲気も大きく異なります。グループ会社どうしでの提案ならまだしも、一般的な取引はそうした関係がないケースが大半です。そのため、相手の会社のことがよくわからない状況で提案をすることになります。

例えば、お客様について理解すべきことが100あるとした場合、1しかわからないこともあるでしょう。しかし、そのわずかな理解をもとに提案をしていたのであれば、次はそれを2に増やすことで、理解度は2倍になります。

基本的には「どれだけお客様のことを理解しようとしても、まだまだわからないことが多い」と考えるべきです。買い手の立場になったとき、「御社のことがよくわかりました」と言われると、逆に不安になります。「ちょっと待ってください。まだ数回しか話していないのに、なぜそんなに確信を持てるのですか?」と思うはずです。それよりも「もっと理解したい」という姿勢で臨む方が、お客様も安心するでしょう。

重要なのは「ツッコミ」に耐えられる提案書を作ること

実際、世の中の「買う・買わない」の判断は、互いに完全には理解していない状況で行われていることがほとんどです。例えばスーパーで食品を購入する際、原材料の表示があってもそれが本当に安全なのか、どれだけの量が含まれているのかなどといったことは細かく考え始めるときりがありません。それでも最終的には「えいや」と決断して購入しているわけです。

我々はそのように十分に商品やサービスを理解しないまま何かを購入しているのですが、法人営業の世界では「わからないまま購入する」ということについて慎重に考える必要があります。法人営業では「ツッコミ」が入るからです。

例えばスーパーでお豆腐を買ったとします。その際、家族が「いつもと違うお豆腐じゃない?」とツッコミを入れることはあるかもしれませんが、他の人からツッコミが入ることはまずありません。しかし、法人営業ではお金を使う際に多くの関係者がいます。その際、誰かが「ツッコミ」を入れれば提案が一気に進みにくくなります。

最近では、たとえ決裁者であっても独断で決めることは少なく、現場の意見を取り入れることがほとんどです。実際、現場の方が発言権や影響力を持つことも珍しくありません。この傾向はここ10年ほどで顕著に見られる変化です。

つまり、決裁者でさえも何かを購入する際にその商品やサービスを完全に理解しているわけではなく、社内で提案書が回覧され、その過程で誰かがツッコミを入れているのです。このツッコミが入った際に提案書がそれに耐えられるかどうかが重要です。それは、他の選択肢よりも提案内容が優れていて、今すぐ購入するべきだと確信できるかどうかにかかっています。

「資料を読み込む経験」で「翻訳力」を磨こう

次に、営業側としてどのように「翻訳力」を高めるかについてですが、まずは他者の資料をしっかりと読み込む練習が必要です。

例えば、官公庁の作った資料は1枚のページに多くの情報を詰め込んでいてわかりにくいとネット上で揶揄されることがあります。

しかし、一見して複雑でわかりにくい資料であっても、丁寧に読み込むことが大切です。この練習を怠る人が多いのですが、他者が書いた資料をしっかりと理解しようとする姿勢がなければ、誰かが読んでわかりやすい資料を作ることは難しいでしょう。一見して分からない資料を真剣に読む経験がないと、読み手の立場というのは理解できないのです。

実際にこうした丁寧な作業をする人は少なくなっているようですが、他者が書いた資料を一生懸命に読み込む経験が翻訳力を高めるには重要です。この経験があるかどうかで見える世界が大きく変わります。

それを実践した上で、「わかりやすい」「読みやすい」という点をクリアし、他の選択肢と比べて優れている点や購入すべき理由をしっかりと伝えることができれば、より良い提案ができるでしょう。

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