営業マネジャーのスキルを上げたい

2024.02.09

「共創型」の営業戦略が生き残りのキーワード

AIが台頭しても、求められる営業は何を大切にしているのか?

「共創型」の営業スタイルとは?

営業のスタイルは時代とともにどんどん変化しています。今回はお客様と共創する営業スタイルにおいて重要な「ヒアリング営業」と「ディスカッション営業」についてお伝えします。

「ヒアリング営業」と「ディスカッション営業」の違い

今回は、「ヒアリング営業」と「ディスカッション営業」についてお伝えします。

「ヒアリング営業」は、お客様の課題をヒアリングして、それに対応したサービス提案をすることです。

「ディスカッション営業」は、お客様とのディスカッションにより共感を生み出し、気づいたら案件を共創している状態です。

今後の営業戦略はこの2つを合体させた「共創型」へと進展していくと言えるでしょう。

ヒアリング営業においては以下のポイントが挙げられます。

  • 顕在化した課題のヒアリング
  • 課題が顕在化していない場合、SPIN手法で探求
  • ヒアリングは、自社サービスとの連携を目的とする
  • お客様は、「ヒアリングされると提案が来る」と意識しているため、売り込まれたくないと感じることもある

一方、ディスカッション営業では以下のように進行します。

  • 「売る側」「買う側」ではなく、共通の課題に対して話す
  • 具体と抽象の間で議論を展開し、解像度を上げる
  • 解像度の向上による発見や知的興奮でお客様の興味を引く
  • 最終的には、単なる提案書ではなく「共同企画書」が完成する

コロナ禍の影響で、お客様は不要なものの購入を控え、売り込まれることへの反感も増しています。ヒアリング営業で問題を解決しようとする試みも、順調に進むとは言えない状況です。お客様は、「まずヒアリングをさせてください」という提案に対して、消極的になることが多いのです。

「ニューノーマル」や「DX」などの流行語が出現する中で、多くの人々は「今何が起きているのか?どうすればいいのか?」が掴めずにいます。お客様が誰かと話す必要性を感じつつ、具体的な方向性が見えない中で売り込まれることを避けたいと考えています。

ここで覚えておきたいのは、お客様は「この営業から買うかどうか」というよりも、「この相手と話すかどうか」を重視していると言えるでしょう。ディスカッション営業は、ヒアリングから提案への一方通行ではなく、お客様と共に課題を探求するプロセスです。このプロセスには「知的な楽しさ」が含まれており、新しい価値の創出につながります。

AIや機械に「できないこと」に注目しよう

別の観点からも補足したいと思います。

近年、「ChatGPT」などの生成AIが話題です。ChatGPTは、文章を打ち込むといろいろな答えを提供してくれます。そのレベルには感動する声もある一方、まだまだ人手が介入しないと利用が難しいという声も聞かれます。弊社は、一定の限度があるとは思いますが、用途を適切に選べば非常にパワフルだと感じています。

特に情報を整理する際に人の力を借りることは重要ですが、相手が忙しい場合もあるため、機械がある程度考えを整理してくれると助かります。

現代社会では、機械によって「置き換えられる職業」と「置き換えられない職業」という議論があります。営業は議論が巻き起こっている職種の1つです。

「営業はいらなくなるのでは?」という声もあれば、「この時代だからこそ営業が必要だ」という意見もあります。

弊社は営業の存在理由について考える中で、機能的な部分は機械にどんどん置き換えられると感じています。例えば、お客様が何かを購入しようと思ったとき、情報収集が便利になる流れはますます加速して止まることはないでしょう。

お客様は営業から情報を得るだけでなく、無料コンテンツを使って、自分で調べることも増えます。だからこそ、お客様に対する情報提供は、優れた動画やドキュメントなどを活用すれば、よりよい情報を効率的にお届けできる可能性も増えます。

さらに、ChatGPTのようなツールは、お客様向けのコミュニケーションツールとして使われる可能性が高まります。企業が今後、こうした手段を積極的に導入するであろうことは明白でしょう。

お客様と一緒に「共創していく」とは何か

世の中の大きなトレンドとしてはコスト削減のためにこうしたツールへの移行が進むのは自然な流れだと言えます。では、そうなると営業の存在意義はあるのでしょうか?

ここで考えたいのが「感情的なつながり」です。

弊社代表の高橋が「かぴばら書店」の開店準備をしていたときのことです。

開店準備中に気分を盛り上げようと縦看板を外に置いたところ、まだ正式に開店していないにも関わらず、数名のお客様が入ってきてしまいました。高橋は正直、驚いたようですが、その場で地元のお客様と会話ができたことを非常に嬉しく感じたと言います。地元との繋がりや、街を歩くと目に入るお店というものの存在で、地域の見え方が変わると強く感じたようです。

結局、人と人とのコミュニケーションは人間が生物である以上、最も重要なものだと弊社は考えております。

2021年に高橋が書いた『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)という本では、共に創り上げる営業、つまり共創するディスカッションというコンセプトを提案しました。

気持ちよく人を動かす

高橋浩一

ディスカッションのプロセスはお客様と競い合うような敵対関係ではなく、共に創造する関係で進めるべきだと弊社は考えています。この点は営業の世界で特に重要です。

特に、最近の若手のお客様は非常に優秀で、弊社からなんらかの質問をされると、きちんと企業で指導された答えを返してくださいます。その受け答えの正確さには安心感を感じる一方、そこで新たな発見が起こるような会話ができるとお客様にとって更に良いと感じるのです。

機械に代替されない職業という観点からも、そういった発見をどれだけ営業が起こせるかが重要です。

反論や疑問をしっかり捉えることが信頼構築のカギ

ここで大事なポイントは、お客様の疑問や反論への扱い方です。

例えば、ソフトウェアの操作方法などについて質問されたとします。その際の回答として、「お客様の方で操作は可能です。こういう設定ができます」というのがまずは正しい返答です。

しかし、お客様が「こんな高度な機能を使いこなすのは難しそうです」と反応した場合、どうすればよいでしょうか。さらに適切な答えとして「お客様、実はそんなにこの操作や設定は難しくありません。こうすれば簡単に扱えますし、意外とシンプルですよ」と説明することが重要でしょう。

営業としての対応力と共感力が求められるこのような場面で、お客様の疑問や反論をしっかりと捉え、適切に応じる能力があると、信頼関係の構築や効果的なコミュニケーションが実現します。それが良好なビジネスの関係へとつながります。

正しさの追求は重要ですが、それだけに頼ると自動化や効率化ツールには勝てないかもしれません。

では、どうすればいいのでしょうか。

弊社の考える答えは、お客様の疑問や反応を大事にすることです。例えば、お客様が「こういう設定ができますか」と尋ねた際に、すぐに答えるのではなく、「それはどういうことなのか」を一緒に考えてみるのです。

効率性の重視だけでは長期的な成長には繋がらない

お客様の質問や反論の背景や理由を伺うことで、なぜお客様がそのような質問や反論をしたのかを理解するようにしましょう。

質問をすることでお客様自身も「なぜそう思ったのか」についての理解が深まります。人は話しながら気づくことが多いからです。

例えば、営業ではChatGPTのような正しいインプットで正しいアウトプットがされる世界とは違い、純粋な好奇心でお客様と一緒に掘り下げるのが重要だと思います。そうすると自然に会話が深まり、感情的な要素も出てくるでしょう。

ただし、これは回り道になる可能性があります。「そんな回りくどいことは求めていない」と感じるお客様もいるでしょう。しかし、営業としてお客様との深い対話が今後、ますます必要性を増していくと考えられます。

効率的に数字を上げることも大事だとは思いますが、それだけでは心が折れてしまう営業にも出会ってきました。成果を上げると同時に仕事を楽しむヒントがディスカッション型の営業にはあります。

お客様との寄り道も大切にしながら、楽しみながら仕事をする。そうした流れに乗ることで、営業がより有意義になると弊社は感じています。

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