質問力の秘訣:キーワードを逃さない「掘り下げ質問」

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質問力:お客様の心の声を拾い上げる

質問力において「掘り下げ質問」というのは、お客様が発したセリフのなかで、「これは大事だな」というものに対して、もっと詳しくお聞きするということです。

 

営業の方がロープレをしている場面において、お客様役の方がふと大事なキーワードを漏らしたときにすぐに捉えられる方がいますが、こういう方はハイパフォーマーであることが多いです。

一方でまだ経験の浅い営業の方ですと、お客様役の方が大事なことを言っているにも関わらず、なかなかそこに対して言及しない、という場合があります。

 

「掘り下げる」ということは実はあまり凝った質問テクニックではなく、先方が発した気になる一言について、もう少し詳しく教えてください、ということです。

これは特に、お客様が、実現したくてもできていないことについて何らか話をされたときに使っていただきたいテクニックです。
「実現したくてもできていないこと」がお客様にとっての大事なキーワードであることが多い傾向にあるからです。

「実現したくてもできていないこと」を掘り下げる

例えばお客様が
「本当は、もう少し〇〇の数字を上げたい。」
ということをおっしゃったとします。

既に数字が上がっている場合には、お客様からそのような言葉はまず出てこないはずですよね。これこそが「実現したくてもできていないこと」に繋がっている大事なキーワードであるということになります。

 

このようなキーワードが出たとき、次のように聞いて掘り下げてみましょう。

「今、お客様が〇〇の数字を上げたいとおっしゃいましたけれども、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」

「今、お客様が〇〇の数字を上げたいとおっしゃいましたけれども、どういうことが裏側の背景としてあるのでしょうか?」

「今、お客様が〇〇の数字を上げたいとおっしゃいましたけれども、なぜでしょうか?」


これらは、キーワードに対してより詳しく聞いたり、そのセリフの背景や理由を聞く質問です。

 

あるいは

「今、お客様が〇〇の数字をあげたいとおっしゃいましたけれども、、、」

とキーワードを繰り返し、その後の言葉をそれとなく促すような形でお客様に投げかけてみるのも良いでしょう。

 

そして、お客様から出てきた大事なキーワードの他にも、何かキーワードがあるのではないかと思ったときには、

「今おっしゃったようなことと同じようなレベル感で、何かお悩みのことは他におありでしょうか?」

というように、他のキーワードが出やすいように促すこともできます。

アンテナの感度をあげ、お客様の悩みを捉える

ここで大事なことは、「実現したくてもできていないこと」が話題にのぼったとき、このキーワードをもっと深く掘り下げていけば、お客様の大事な悩みや課題の要点をもっと掘り下げられるのではないか、というアンテナを立て、お客様のキーワードをすかさず捉え、もっと詳しく聞けるような投げかけをするということです。

 

営業をしていると、ついついご自分の準備した資料の説明に一生懸命になってしまったり、当初自分が描いた流れ通りに進めることにこだわってしまう方も多いと思います。

しかしそこで、「お客様が実現したくてもできていないこと」を逃さず捉え、そのキーワードを深掘りすることに意識を向けてみると、それまで見えていなかったお客様の悩みが見えてくるかもしれません。

 

「実現したくてもできていないこと」に繋がる大事なキーワードをきちんと捉え、深掘りする「掘り下げ質問」をぜひ営業活動に取り入れてみてください。