コンサル営業で訴求効果が高いのは「実績」
いわゆる「コンサル営業」では「実績」を入口とした訴求が効果的です。しかし、お客様としては高額な費用やサポート体制への不安もあります。ベンダーからの情報提供をきっかけに生まれる案件では費用対効果とスペックに判断基準が偏りますが、サポートや納品についても気にされます。契約更新期限の到来をきっかけとした案件では、お客様が「他社比較」を気にする傾向が目立ちます。
いわゆる「コンサル営業」というのは、お客様に対して御用聞き的に「言われた通りにやります」というより、営業から「こうした方が良いですよ」と提言をするタイプの営業であると言うことができます。
以下の表では「検討初期」「検討中期」「検討後期」というように段階が進むに従ってお客様の判断基準がどのように変化するのかを「案件の発生経緯」によって比較しています。

「案件の発生経緯」は以下の通りです。
- ①「外部コンサルタントの助言」をきっかけに案件化するケース
- ②「ベンダーからの情報提供」をきっかけに案件化するケース
- ③「利用サービスの契約更新時」をきっかけに案件化するケース
「外部コンサルタントの助言」と「ベンダーからの情報提供」を分けているのは、お客様はベンダーを「業者」として捉える考え方を持っている方がいらっしゃるからです。いわゆる「業者」のような考えを持っている世界観のお客様は「ベンダーからの情報提供」について注目するでしょうし、「コンサルタントの見解をもとに決めたい」というタイプのお客様は「外部コンサルタントの助言」を選ばれるということです。これは傾向として綺麗に分かれました。
外部コンサルタントの助言による案件化のカギとは?
「外部コンサルタントの助言」という経緯から始まったものについては、入口段階においては「実績」が注目されています。そして意外なのは「価格が他社より安いか」という項目です。「コンサル」というと「高い」というイメージがあるため、価格を気にする度合いが強くなるのだと考えられます。そして次に「自社の課題を的確に捉えているか」という項目があります。これらは「検討初期」においてスコアが高く出ている項目です。

つまり、「検討初期」の段階においては「実績」が1番、2番目が「価格の安さ」、3番目が「課題を的確に把握しているかどうか」ということになります。
「検討中期」に入ると、「製品やサービスの品質・性能が他ベンダーより優れているか」のスコアが高く出ています。これは「検討中期」でのみ高く出ています。他のところではそれほど目立っていません。
そして「検討後期」になると「サポートやアフターサービスが充実しているか」というスコアが高く出ています。
ここで、お客様の立場に立って考えてみます。まず「検討初期」の入口段階においては「自社の課題を的確に捉えているか」ということが重要です。コンサル営業をするとお客様はこの部分に敏感に反応するでしょうし、「コンサルの助言を基に検討しよう」となるということは、やはり「課題を指摘してもらう」ことに価値を見出しているのだと言えます。
ただし、それには「実績」が重要であるという結果が出ているため、「本当にこの人は信頼ができるのか」という点については目線が厳しくなるという見方もできます。
ポイントは「比較される前に差をつけること」
「検討中期」になると、他のベンダーとの性能的な比較のスコアが高くなります。ここから「コンサルをきっかけに発生した案件といえども、鵜呑みにはできない」というお客様の心理も見て取れます。「本当に他と比べて優れているのか」ということがお客様としては気になるのです。
「検討後期」ではサポートやアフターサービスが高く出ていますが、ここが気になるということはお客様にはコンサル営業に対して「サポートやアフターサービスがおざなりになりがちなのではないか」という懸念があると考えられます。
重要なのは「コンサル営業に対するお客様のありがちな不安をどう解消するか」ということです。
その1つが「実績」です。「豊富な実績のある当社だからこそ、このように提言しています」という訴求がお客様に響くということです。その実績が豊富かどうかというのがお客様は気になるのです。

「検討中期」は「比較をする段階」と言えます。コンサル営業するときの1つのポイントとしては、「比較される前の段階で他社に差をつけること」です。
逆に「検討中期」に入るまでは「製品やサービスの品質・性能が他ベンダーより優れているか」のスコアは6.2%とかなり低く出ています。他のカテゴリである「ベンダーからの情報提供」「利用サービスの契約更新時」と比べても目立って低いです。
これが意味しているのは「検討中期においてはすごく気にしているが、それ以外の時期ではあまり気にしていない」ということです。ということは、「検討中期」になって「他社との比較」をされる前に他社を引き離しておく必要があるということです。
コンサル営業では「価格以外」で勝負しよう
「検討初期」では「製品やサービスの品質・性能が自社に合っているか」「自社に合わせて柔軟にカスタマイズしてくれるか」という2つの項目についても若干スコアが高めに出ています。
そのため、「このコンサルの言うことは本当にうちに合っているのか」「そのコンサルはうちに合わせるつもりがあるのだろうか」といったことが気になるのだと考えられます。

興味深いのは、「費用対効果に納得できるか」のスコアが非常に低い点です。「費用対効果に納得できるか」は全般的にこの調査において10%から15%、もしくはそれ以上という結果が出ているからです。
それに対し、ここでは「検討初期」「検討中期」「検討後期」いずれにおいても10%を切っているというのが非常に興味深い点です。それは、あまりお金のことを気にしない傾向があるということです。その点を踏まえると、コンサル営業というのは入口段階で「高すぎる」ということにならなければ、後のところにおいては比較的価格を気にせずに戦いやすいということです。
そして、先ほどもお伝えしたように「検討後期」になった際に「サポートやアフターサービスが充実しているか」が重視されるのです。コンサルはある種「先生」のようなポジションでもあるため、「ちゃんとケアしてくれるのか」という点が気になってくるということでしょう。





