営業マネジャーのスキルを上げたい

2025.07.22

「境界線」を意識することがコミュニケーションの質を変える

お客様に踏み込んだ質問をする際に大事なこととは?

人とのコミュニケーションにおいて大事なこととは?

人とのコミュニケーションにおいては「境界線」を意識することが重要です。営業では「境界線」を意識することでお客様に踏み込んだ質問をしやすくなります。今回は「お客様に踏み込んだ質問をする際に大事なこと」についてお伝えします。

コミュニケーションでは「境界線」を意識しよう

営業マネジャーからよく聞かれる悩みに、「お客様に踏み込んで質問ができない営業メンバー」に関するものがあります。断られるのを恐れてクロージングに入れなかったり、嫌われることを怖がってデリケートな質問を避けてしまったりするのです。この問題のポイントは、「境界線」にあります。

「踏み込んで質問できない営業メンバー」は多くの場合、物事をゼロイチで捉えており、「〜については聞いてはいけない」といった思い込みが強い傾向があります。その際、多くの営業マネジャーは条件反射で「怖がらずに聞け」と指導したり、「最近の若者はすぐに正解を求める」とラベルを貼ったりしてしまいますが、それでは物事が解決しません。

 「聞いても大丈夫かどうか」には「境界線」があり、「境界線」は相手や文脈によって変わるのだということを理解してもらう必要があります。

境界線の概念についてメンバーと共有したら、あらゆる場面で「感覚のズレ」を修正するためのコミュニケーションをしましょう。「あのお客様は境界線がもっと奥にあるから、思い切って聞いても大丈夫」「さっきの質問は、境界線ギリギリのところを聞けていて良かったよ」といったフィードバックをするのです。

境界線という共通言語ができれば、あとは「いかに境界線ギリギリまで踏み込めるか」がポイントとなります。ここまでくれば、メンバーの性格や世代の傾向は関係ありません。ロールプレイや商談同行を通じて、実践と検証を繰り返しましょう。

営業メンバーが「どこまでだったら聞いても大丈夫か」の境界線を把握する力を高めるために上司ができるサポートには次のようなものがあります。

  • ①商談の場で手本を見せ、後で解説する
  • ②ロールプレイでコメントをしながら指導する
  • ③仲の良いお客様に対して直球で境界線を聞いてみる
  • ④メンバーが境界線を踏み越えて失敗しても大丈夫な案件を作る

「遠慮の正当化」に注意しよう

弊社代表の高橋は、仕事を通じて「この人は非常に損をしている」と感じることがあると言います。それは「遠慮を正当化してしまう人」です。

例えば、上司に早めに相談すべきことを相談せず、後になって「忙しいと思って聞きませんでした」と言う人や、お客様に対して「こういうことは聞いちゃいけないかと思って聞きませんでした」と遠慮してしまう人がいます。

一見すると相手に気を遣っているようですが、実際にはその遠慮が誰にも利益をもたらさない状況を生み出していることに気づいていません。高橋は長年人材育成に携わってきましたが、このタイプの人が大きな成果を上げているケースは見たことがないと言います。

もちろん、「相手の機嫌を損ねたらどうしよう」とか、「お客様に質問をして不快にさせてしまったら困る」といった不安を感じることは自然です。

しかし、その遠慮がかえって成果を阻害する原因になっていることを忘れてはなりません。遠慮を正当化している限り、自分の成長に天井を作ってしまい、成果も出ない方向に進んでしまいます。

そこで重要なのは、自分の中の「ちょっとした自尊心」を下げられるかどうかです。

考えてみれば、怒られたり、相手の気分を害してしまったりしても、決定的に何かが壊れるわけではありません。しかし、なんとなく怖さを感じてしまうのは、コミュニケーションをした際に相手がネガティブな反応をすると、自分が少し傷つくからです。まるで自分が否定されたかのように感じたり、「いけないことをしてしまったのかな」という思いに駆られたりして、自己評価が下がってしまうのです。

ただ、子供が転ばずに自転車に乗れるようにならないのと同じように、仕事でのコミュニケーションも「転ぶ」経験がなければ上達しません。遠慮を正当化する人は、「転ばずに自転車に乗れるようになりたい」と言っているようなもので、それでは結局いつまでもコミュニケーションは上達しません。

まずは「実行しやすいこと」から始めよう

では、どうしたらいいのでしょうか。

いきなり大胆な勇気を持つ必要はありません。最初は実行しやすいことから始めるのが良いでしょう。例えば、質問しづらい相手と質問しやすい相手がいる場合、まずは質問しやすい相手を選び、その人に少し踏み込んで質問してみるのです。苦手意識があっても、それであれば質問しやすいはずです。

ただし、その際はただ何となく「踏み込もう」という気持ちで質問するのではなく、「今日はここまで聞こう」という「明確な意図」を持って質問することが重要です。

例えば、「上司が怖い」という人は仲の良い社内の先輩など気軽に話せる相手を見つけて、ランチを共にしながら質問してみるのもいいでしょう。その際、「いつもだったらここまでしか聞かないけど、今日は思い切ってここまで聞いてみよう」という意図を持って質問するのです。そのような小さなトライを繰り返し、自分の体感覚に「踏み込む」経験を蓄積していくことが、殻を破る第一歩になります。

特に優しくて気を使いすぎる人が仕事で思うように成果が出せないというケースには、たいてい背景に「遠慮を正当化する」という心の動きがあることが多いです。この「遠慮を正当化する」を乗り越えることで、見える景色が大きく変わります。

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