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2026.01.05

「お客様の表情を見極めること」が商談の成否を分ける

お客様へのヒアリングでカギを握る「5つの観点」とは?

深掘りをする際に重要な「5つの観点」とは?

商談ではお客様の発言を深掘りすることが重要だと言われます。では、具体的にどのようなことを深掘りすれば良いのでしょうか。今回はお客様に深掘りをする際にカギを握る「5つの観点」についてお伝えします。

商談で深掘りをするべき「5つの観点」

よく営業から「お客様へのヒアリングが浅くなってしまう」という相談を受けます。「どの発言を掘り下げるべきか」の判断は確かに難しいです。そこで、深掘りをするべき「5つの観点」をご紹介します。

①ビジョン/課題

目指している方向性や課題へのヒアリングが浅いことへのお客様の不満は非常に大きいです。ビジョンや課題については深く掘り下げて聞いた方が良いケースが多いですが、多くの営業が陥りやすい落とし穴があります。それは、唐突に「御社のビジョン(課題)は何ですか?」という質問をしてしまうことです。そうすると、お客様から「典型的なよくある質問」と受け取られてしまうのです。そのため、まずは近況などの無難な話題から始め、自然な流れでビジョンや課題の話題へと展開するのが望ましいです。無難な話題からビジョンや課題に話が及ぶとき、そこには「文脈」があります。例えば、「近況はいかがですか?」という切り出しから、「実は当社の社長がですね…」と経営トップの発言が出てきたら、「もう少し詳しく伺えますか?」と深掘りすると良いでしょう。

②本人の繰り返し

商談でお客様が同じキーワードを繰り返し使った場合、その言葉にはなんらかの背景があります。例えば、お客様から「この『ばらつき』を見える化しないと先に進めないんですよ」という発言が繰り返し出てきた場合、「その『ばらつき』とは具体的にどういうことですか?」と深掘りましょう。

③他のお客様との共通点

お客様の発言が最近の他のお客様との商談でも聞かれたような内容である場合、そこには何らかの問題が存在している可能性が高いです。例えば、「ここの解像度が低くて…」という発言が複数の商談で出てきた場合、「解像度とはどういうことですか?」と掘り下げてみましょう。

④理想と現状のギャップ

「不本意ながらこうなってしまっている」といった感情混じりの発言には、お客様の様々な思いが込められています。例えば、「本当は、その場しのぎの小さな緊急対応ばかりでなく、大きな根本課題をやらないといけないんですが…」という発言があった際には、「…と、おっしゃいますと?」と発言を促しましょう。

⑤周囲と本人のギャップ

「他者との意見の違い」に関する感情混じりの発言にも、お客様の色々な思いが含まれています。「私はあまり本質的だとは思わないんですが、こっちに手をつけろと上司は言うんですよ…」といった発言があった場合、「なるほど、もう少し詳しく伺っても宜しいでしょうか?」とさらに深めてみましょう。

「打ち返す」よりも深掘りをしよう

「お客様の話を聞いたらなんらかの答えを返さなければならない」と考える営業は多いです。例えばお客様から、次のような話が出てきたとします。

お客様

最近売り上げがなかなか伸びなくて悩んでいるんです。特に新規の案件が今までのように思うように増えないんです。

そうすると営業は、悪気なくお客様に答えを返そうとして、次のように言ってしまいがちです。

営業パーソン

なるほど。新規の売上にお悩みということでしたら、当社ではこういうご支援ができます…

よく、お客様から出た話に対して即座に返答することを「打ち返す」と言いますが、多くの営業が「お客様から出た話に打ち返さなければならない」と思い込んでしまっているのです。

しかし、人の悩みや課題を一度で明確に言語化できることはそれほど多くありません。一方で人は、ただ話を聞いてくれるだけでも「ありがたい」と感じることがあります。これは商談に限らず、プライベートも含めた人と人との会話全般について言えることです。

しかし、いざ商談となると、営業はお客様から何らかの課題や悩みが出てきたら「その場できちんと打ち返さなければならない」と思い込んでしまうのです。

本当にお客様に成功していただこうと思うのであれば、お客様の課題や悩みを深く理解する必要があります。お客様から出たことに対して深掘りをして、それがどういうことなのかをきちんと理解する必要があるのです。

この時に「打ち返さなければ」という強迫観念が強いと、深掘りをすることが怖くなってしまいます。例えば先ほどの例のように、お客様が「新規の売上が伸び悩んでいるんです」とおっしゃった時に「安心していただかなければ」と思って「新規の売上が回復した人たちにはこういうケースがありますよ」「新規の売上についてこういうサポートができますよ」という打ち返しをしてしまうのです。

しかし、そのように打ち返す前に、お客様の課題や悩みがどのくらいのレベルなのかを知っておかないと提案がずれてしまう可能性があります。だからこそ、深掘りをするのです。

重要なのは「お客様の表情」を見極めること

そこで、「どこまで深掘りをしたら良いのか」という問題が出てきます。このとき、「深掘りをし過ぎるとお客様が気を悪くするのではないか」「すぐに打ち返さないと失礼に当たるのではないか」と思い込んでしまっている営業が多いです。

しかし、お客様からすると、そこまで課題や悩みが整理されていないことがあります。それを商談中に整理するのです。そうすると、お客様から少しネガティブな表情が出てきます。それは「うまく言葉にならない状態」を示しているのですが、営業がこれを「聞いてはいけないサイン」だと捉えてしまうのです。

大抵の場合、人が言葉にならないことを言葉にしようとする時は悩ましそうな表情をします。しかし、営業がこの「悩んでいる表情」を「聞いてはいけないサイン」だと勝手に考えてしまい、怖くて聞けなくなってしまうことが多いのです。

深掘りがしっかりとできる営業とそうでない営業の分かれ目は、お客様の表情に現れるちょっとしたネガティブな反応に対する解釈にあります。それが「うまく言葉にならないもどかしさ」によるものなのか、それとも「そんなことは聞いてほしくない」という拒絶なのかを冷静に見極めることが重要です。

それを見極めた上で、お客様に「すっきり感」が生まれるか、あるいはこちらが認識していなかった過去の事実が明らかになるまで深掘りをするようにしましょう。

お客様がネガティブな表情をされた時に焦らないようにすることが大切です。お客様の表情を見極められるようになり、躊躇せずにしっかりと深掘りできるようになると、ヒアリングのレベルが一段上がります。

その上で、冒頭でお伝えした「5つの観点」を意識するようにしましょう。この「5つの観点」で深掘りをした先には良い未来が待っていることが多いので、ぜひお客様との商談で試してみてください。

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