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2025.10.20

「資料の説明」ではお客様の熱量は上がらない

商談でお客様と心をひとつにするには?

商談でお客様と心をひとつにするには?

商談では、営業が一方的に資料を説明をしているとお客様が「心ここにあらず」の状態になってしまうことがあります。そのような場合、お客様の「視線」に配慮することが重要です。今回は商談でお客様と心をひとつにする方法についてお伝えします。

商談では「お客様の視線」に気を配ろう

商談では「お客様の視線」に気を配ることが重要です。お客様の視線への配慮が足りず、説明の内容がお客様にほとんど伝わっていない場合があります。その際に重要なのは、以下の3つのポイントです。

①説明時に「サイン」を出す

お客様の視線と説明している内容が一致していない場合、そのまま説明を続けるべきではありません。その際は一度お客様に確認し、「私はお客様の興味や関心に合わせて説明をします」というサインを示す必要があります。このようなサインを出さなければ、お客様が自分の見たいページを見ている間に別のページを一生懸命説明してしまう、といった事態に陥る可能性があります。

特にオンライン商談では、お客様の視線を直接追うことができません。そこでおすすめなのは、パワーポイントを投影モードではなく編集モードで使うことです。編集モードを使えば強調したいポイントをなぞったり、補足をその場で書き込んだりすることができます。そうすることで、オンライン商談でも視線と説明の流れを一致させることができます。

②「双方向のリズム」を作る

お客様に「この営業は相手の視線と説明箇所を一致させながらプレゼンする人だ」と感じていただけたら、次は双方向に話を進めるリズムを作ります。資料を一方的に最後まで説明して、最後に「ご不明点はありますか?」と尋ねるスタイルでは、お客様の「濃い反応」は返ってきません。少し話をしたら次はお客様に話していただく、というリズムを作ることが重要です。

ただし、お客様の中には「まずは最後まで一通り聞きたい」という方もいます。その場合には、3つのパターンが考えられます。

  • ①既に判断ポイントが明確
  • ②ゆっくり考えてから意見を言いたい
  • ③実はあまり考えていない、またはこの場に集中していない

お客様がどのタイプかを事前に把握していれば、それに合わせて資料を作りましょう。お客様が「①既に判断ポイントが明確」な場合、結論を端的に示すようにします。「②ゆっくり考えてから意見を言いたい」というお客様の場合、資料の中に論点マップを作って全体像を示すようにしましょう。どちらか判断がつかない場合は「コンパクトな本編」+「網羅的な参考資料」でページの塊を分けておくのがおすすめです。

特に注意すべきは、お客様が「③実はあまり考えていない、またはこの場に集中していない」というケースです。その場合、プレゼンをそのまま進めても意味がありません。その際は、そのままプレゼンを進めずに、いくつかの質問を投げかけることでお客様に話してもらうようにしましょう。

③「ボリュームと構成」を考える

いずれにしても、こういったことを臨機応変にやろうとすると、「ボリュームのある資料を一気に最初から最後まで説明する」というふうにはなりません。

特にオンライン商談では、お客様のタイプもわからないまま「画面の向こう側で反応が薄い」ということがあります。さらに、人数も複数人であることもあります。そのため、とにかく商談でリアルタイムに使う資料は「枚数を少なく、双方向の議論ができるボリュームにすること」が重要です。 情報量が多くなるときは事前か事後に送付するようにしましょう。

最も避けるべきは「絶対に必要なページ」と「念のために用意したページ」が混在した資料を一気に説明することです。また、「絶対に必要なページ」を見極めるためには、日頃から「お客様の視線」と「説明箇所」を一致させるようにしておくことが重要です。

メインはディスカッションであることを伝えよう

商談で資料が配られたら、多くの人はまずざっと資料に目を通すでしょう。紙の場合はページをめくり、オンラインなら添付ファイルを開いて内容を確認します。

そして、内容の全体像をつかみます。その段階で、話の内容が資料に書かれていることの繰り返しだと判断すると、集中力が薄れがちです。オンライン商談では、別の作業を始めてしまうこともあるかもしれません。

「この商談のメインは資料の説明だ」と判断した場合、参加者は次第にその場に意識を向けなくなり、他のことに時間を使い始めます。これは参加者からすれば自然な行動であり、多くの人が無意識のうちにそうなりがちです。

つまり、「資料に書かれている内容を伝えることがメイン」という状況では、話を聞いてもらうことが難しくなるのです。この点をしっかり意識することがお客様の「離脱」を防ぐ第一歩となります。

一方で、「この資料に書かれている内容は、この1時間のうち10%に過ぎません。残りの90%はこれから行うディスカッションで作り上げていきます」と伝え、資料の役割を明確にすると、参加者の意識や姿勢が変わります。

「その場で作っていく」ことが参画意識を高める

重要なのは、「この資料はあくまで入口に過ぎず、そこから先が重要です」という意図を明確に示すことです。

そこで、実際にその場で議論の内容をコンテンツ化していくことがおすすめです。

例えば、対面商談ではホワイトボードなどを活用して議論の内容を見える化するのが良いでしょう。オンライン商談の場合はメモ・アプリやパワーポイントを画面共有し、リアルタイムでお客様との議論の内容を書き込んでいくことがおすすめです。

それをやろうとする際、「綺麗にまとめなければならない」「お客様の前で下手なことは書けない」という意識があると、手が止まってしまうことがあります。

しかし、ここで大切なのはアウトプットのクオリティではなく、お客様と一緒に資料を作り上げることそのものです。そうすることで、お客様に「この場で意見を出さなければならない」という意識が芽生え、自然と議論への参画意識が高まります。

「資料をどう使うか」を事前に考えよう

資料の内容をしっかりと理解してもらいたいのであれば、資料の位置付けをお客様に伝えることが重要です。逆説的ですが、商談の内容を資料の説明ではなく議論をメインにすることで、「この資料はあくまでもおまけに過ぎませんよ」というサインがお客様に伝わり、かえって資料の内容が理解されやすくなるのです。

そのためには、事前準備の段階で「この資料を元にどんな議論を展開したいのか」を明確に考えておく必要があります。

これを踏まえて逆算すると、「資料のどの部分を、どのように説明するか」といった準備が具体的になります。そうすることで、資料が単なる情報提供のツールではなく、議論を促すための土台として機能するようになります。そのようにすると、商談や打ち合わせでは資料をそれほど使わないことが多くなります。

資料を説明する際、全ての内容を伝える必要はありません。資料のどの部分を使うかは、お客様の興味や関心、さらにはその場で展開されるリアルタイムな議論の流れに大きく左右されます。

そのため、説明する側としては「資料を1ページ目から最後まで必ず説明しきらなければならない」といった固執した姿勢は取らないようにしましょう。「この内容を必ず理解してもらおう」という主観的な目標に意識を向けすぎると、商談が表面的なものになってしまいます。

ここまでの内容を具体的に実践する際には、資料に「本日お話させていただきたいこと」というスライドを1枚追加することがおすすめです。

会社紹介や商品説明に使用するパワーポイントの資料を使う場合を考えてみましょう。その際、その資料をそのまま使うのではなく、まずはファイルを別名で保存し、そのお客様専用のファイルに作り替えます。

その上で、「本日お話しさせていただきたいこと」というスライドを1枚追加するのです。そうすることで、商談が必然的に双方向的なものとなります。

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