【保存版】ルート型、アカウント型がそれぞれ取るべき行動と戦略 総集編 【8】ルート型営業のハイ・パフォーマー


今まで、ルート型、アカウント型のお話は何度か触れてきました。

営業は基本的にこの2つに分かれているので、ご自身がどちらの営業なのかを踏まえて、それぞれの特徴や取るべき戦略を見極め、行動していくことが成果に繋がります。

そこで、今回はルート型、アカウント型における戦略や成果を上げるコツなどをすべてまとめ、全10回でお伝えします。

第1回:【1】ルート型とアカウント型
第2回:【2】一つの指針を貫くことの難しさ
第3回:【3】一つの組織にも混在するパターン
第4回:【4】両利きのすすめ
第5回:【5】ルート型営業のマトリックス
第6回:【6】ルート型営業の量から質への転換ステップ
第7回:【7】ルート型営業の顧客のマトリックス


私はこれまでに色々な組織でルート型営業のヒアリングをしてきましたが、いわゆるハイパフォーマーと呼ばれる、結果を出し続けるエースの方々も、いくつかのタイプに分類できると考えています。
それが以下の図です。

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まず、行動のパターンに着目して、その個人が決まったことを繰り返すことが得意なのか、状況に応じて臨機応変に対応することが得意なのかに分けます。

そのルーチンタイプを更に分類して、圧倒的な行動量、単発動作を繰り返すのが得意であれば「①件数(時間)確保型」、自分なりの仕組みを考えて効率的にこなすのが得意であれば「②高品質ルーチン型」。
対象タイプは、お客様の心をがっちりつかむ「③顧客グリップ型」と、自分の見せ方をお客様に合わせて何パターンも持っている「④工夫改善型」に分けられます。

私がこれまでにインタビューしてきたなかから、具体例をご紹介しましょう。


ハイパフォーマーの具体例

①件数(時間)確保型

とにかくたくさん電話をかける、アポを取るという方でした。
インタビューは1時間枠でいただいていたのですが、30分くらいたった時にその方がガタガタ貧乏ゆすりされ始めたことに気が付きました。
「どうしましたか」と聞いたら「電話をかけたくて…」と答えられました。
もう、完全に自分の行動に刷り込まれている、電話をかけたいと思っていらっしゃるから、移動の時間にも、作業の合間にも息をするように行動する。
それが、追随を許さぬ行動量につながっているのです。

②高品質ルーチン型

出来る営業といえば、流暢に活舌よく話すイメージですが、喋りはぼそぼそ、聞き取りにくい方でした。
なのに成績が良いのはなぜだろうと思って、その方のパソコンをのぞかせていただきましたら、一見して、非常に整然としているのです。
毎月、月末からさかのぼって、1週間前にはお客様にこんなメールを送るというようなテンプレートが整理されている。
メールを送った先には3営業日以内に全件、順番に電話をかける、というように、自分の仕組みがしっかり出来上がって、忠実に実行されることで結果を出しているのです。

③顧客グリップ型

このタイプの営業の動き方はランダムですが、典型的には「とにかく人が好き。お客さんと喋っているとあっという間に時間が過ぎてしまいます」という性格が多いようです。
とにかく、お客様のところに居座るので、その間に競合他社の営業が飛び込んでくることもあるくらいです。
それでも動じず、その競合の方とさえ仲良くなって大事な情報を引き出したりすることもあります。

④工夫改善型

このタイプは、とにかく、工夫と改善が大好きです。
例えば、自己紹介の資料ひとつをとっても、堅苦しいものからプリクラを貼ったようなものまで何パターンも用意していました。
試し続けることに労を惜しまないことで、色々なタイプのお客様に食い込み、結果につなげています。


ハイパフォーマーの「型」を組織の底上げに繋げる

このように、個別に具体的なケースを見ていると、ハイパフォーマーというのは個性が強くて属人的なのではないかと思われがちです。

それ故に「どうもあの人みたいにはなれそうもない」とか「真似しづらい」という話になりがちなのですが、その行動パターンや得意なやり方について視点を定めて整理すると、何らかの型は見えてくるものです。

そういった「型」が見えれば、後続のメンバーの育成や、スキル・コピーの道筋が描きやすく、組織の底上げに繋げやすくなるのではないでしょうか。