【保存版】ルート型、アカウント型がそれぞれ取るべき行動と戦略 総集編 【6】ルート型営業の量から質への転換ステップ


今まで、ルート型、アカウント型のお話は何度か触れてきました。

営業は基本的にこの2つに分かれているので、ご自身がどちらの営業なのかを踏まえて、それぞれの特徴や取るべき戦略を見極め、行動していくことが成果に繋がります。

そこで、今回はルート型、アカウント型における戦略や成果を上げるコツなどをすべてまとめ、全10回でお伝えします。

第1回:【1】ルート型とアカウント型
第2回:【2】一つの指針を貫くことの難しさ
第3回:【3】一つの組織にも混在するパターン
第4回:【4】両利きのすすめ
第5回:【5】ルート型営業のマトリックス


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良くない会話のパターン

ルート型の世界は、常に一定以上の行動量がなくては先細りになってしまう、新規開拓の活動をし続けなければならないものですが、「デスクワークが好きな部下がいて、行動量が増えない」というのも、色々な組織で聞く、典型的なリーダーの悩みです。

そのようなケースでは、部下がリストに対して「ここは見込みがない」とか「行っても意味がない」と、実際にアプローチしてみる前に、自分の中で優先順位をつけてしまっていることも少なくありません。

そんな時の部下との会話のパターンを思い起こしてみてください。
以下のようにになってしまっていませんか?

「今日はどうだった?」
「なかなかとれません」

「週に10件アポが目標で1日2アポ必要だけど、どう?」
「えー、足りていません」

「どうするの」
「いや、今からがんばります」

「今何件とれている?」
「4件」
「じゃああと6件だね」

・・・数のできている、できていないの会話ですね。

これでは、実際に行動で行き詰っている部下はそこから上がる手掛かりが得られず、毎週毎週同じ会話が繰り返されているうちに、部下が疲弊してしまう可能性があります。


考えさせる質問

対して、うまくいく上司と部下の会話は、同じ状況でも、こんな感じです。

「今日はどうだった?」
「なかなかとれません」

「どのくらいのリストにアプローチしたの?」
「そうですね、今日は10件電話したけれど反応があまりよくなくて」

「でも0ではなかったんだね」
「そうですね、2件はとれました」

「では、その2件と他は、何が違ったの?」

ポイントは太字の、考えさせる質問です。
図のレベル2の「取引の可能性がある顧客に気づく」ですね。

うまくいかないシーンは考えさせるアンテナを磨くチャンスですから、数だけを追うのではなく、リーダーが意識的に、会話によって気付きを促すということを心がけてください。
それでアンテナがしっかりと磨かれてくると、次のステップで、リストの優先順位をつけた効率的な行動ができるようになってきます。


「達成」の取り違えに注意

その際にもう一つ、注意すべきことがあります。

新規開拓型の営業でうまくいかない人は、行動目標の位置づけを十分に理解しないままにそれを最重要目標に取り違えがちだという事実です。

例えば、私が行なってきたインタビューの中では、以下のようなケースは珍しくありません。

「先月の目標どうでしたか」と質問すると、「達成しました」と答えられます。
「先々月は?」と聞くと、「先々月も、達成しました」と。

あれ、今はうまくいっていない方のインタビューの時間のはずなのにおかしいなと思ってよくよく伺うと、その人が「達成」と言っているのは、売上の事ではなく、行動目標(例えば、コール件数)のことだと判明します。

なかなか結果が出ず、「まず行動せよ」と行動目標を言われるうちに、そうは言われていないのに、売上目標よりも、自分が簡単にできる行動指標のほうが本人にとって重要になってしまうのです。

パフォーマンスの引き上げに際してのコミュニケーションは、丁寧にしすぎて困るということはありません。