【保存版】ルート型、アカウント型がそれぞれ取るべき行動と戦略 総集編 【7】ルート型営業の顧客のマトリックス


今まで、ルート型、アカウント型のお話は何度か触れてきました。

営業は基本的にこの2つに分かれているので、ご自身がどちらの営業なのかを踏まえて、それぞれの特徴や取るべき戦略を見極め、行動していくことが成果に繋がります。

そこで、今回はルート型、アカウント型における戦略や成果を上げるコツなどをすべてまとめ、全10回でお伝えします。

第1回:【1】ルート型とアカウント型
第2回:【2】一つの指針を貫くことの難しさ
第3回:【3】一つの組織にも混在するパターン
第4回:【4】両利きのすすめ
第5回:【5】ルート型営業のマトリックス
第6回:【6】ルート型営業の量から質への転換ステップ


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ルート型営業は、数多くの顧客リストに対して接触頻度を高くアプローチしていく世界です。

そのような営業組織で顧客リストを分析する一般的なアプローチは、お客様の予算規模と、自社との関係性(あるいはそのお客様の取引総量に占める自社のシェア)とを軸にとって優先順位などを判断する、マトリックス分析です。
この図でいうと、横軸に予算規模、縦軸に関係性を置いています。
右上の①は一番大事なロイヤル顧客です。

エースとローパフォーマーの行動の違い

コンサルのなかでは、営業で好成績を出し続けているエースと、なかなか結果の出せないローパフォーマーとの行動の違いを探るため、この顧客マトリックスと営業タイプとを掛け合わせて分析をすることもあります。

その結果、エースのグループは①のお客様の次には②に行っている。
対して、ローパフォーマーのグループは、①の次はどうしても行きやすいところ優先で③に行っているという明確な差が出ました。

①はいうまでもなく重要なお客様で、フォローするべきであるのは誰の目にも明らかです。
が、その次に②と③のいずれを優先するかという点で、エースは、現時点でまだ関係性が浅くても、大きな予算を持っているところをしっかり狙って行動できているのです。
ローパフォーマーは、つい仲が良く居心地の良い③のお客様を優先してしまいます。
それでは、現状以上に売上は上がっていきません。

難しいお客様の攻略ステップ

更に何が起きているかを調べていくと、エースとローパフォーマー行動に、次のような違いも見えてきました。

エースは、新規のお客様に会う機会を得ても、すぐ提案をするようなことはしません。
まずはお客様の話しや悩みを聞いて基本的な情報をおさえ、十分な信頼関係を築いてから提案に移るという階段を登っていきます。
難しいお客様の攻略のステップが、しっかりとイメージできているのです。


一方で、ローパフォーマーは、その、お客様に話していただくという大事なステップを飛ばして、いきなり提案をしてしまうことが多いこともわかりました。
そうなると、折角お客様に会えて提案をしても、それはほとんど検討の土台にのせてもらえないのです。


行動が数字に繋がるまで、心が折れないサポートを

行動の量はやっていてもなかなか質が上がってこない、と悩むメンバーを引き上げるヒントは、まさにその点にあるのです。
新規開拓に悩んでいる新人や若手は、ベテランやハイパフォーマーがある意味無意識に行なっているようなその新規攻略のプロセスをイメージさせると、それだけで結果が変わってくることもあります。

ただ、実際に行動が変わってからそれが数字に繋がるまでには時間がかかることもあります。

上司や先輩が、本人が成長に向かっていることを理解して、心が折れないようにしっかりサポートをしてあげることは、非常に大切です。