高橋が8年間無敗の秘訣:ダブルメール・トリプルメール

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私は法人営業において、8年間コンペで無敗を続けています。

勝ち続けるために私が行なっているいくつかの工夫があるのですが、今回はその中で「ダブルメール・トリプルメール」というものについてお話をしたいと思います。

キーマンになかなか接触できない

特に法人営業の世界であれば、誰もがキーマン、決裁者、上位役職者、といった方々にアポイントを取りたい、コンタクトしたいと思われるでしょう。
しかし、このような方々は基本的にとても忙しく、コンタクトしづらいものです。

 

また、コンタクトしようとしても、目の前の担当者を飛ばしていきなり連絡してしまうと、その担当者の顔を潰してしまう可能性もあり、なかなかキーマンに接触できないという悩みがよくあります。

そこで使うのが「ダブルメール・トリプルメール」です。

連絡系統を複数持っておく

例えば、部長、課長、担当者という3人と一度商談ができ、基本的には担当者とやり取りをしているとします。

このとき、担当者には連絡をするのですが、部長、課長は上位の役職者ですので、担当者を飛ばして直接連絡はしづらいですよね。

 
そこで「ダブルメール・トリプルメール」の出番です。
これは、お客様の組織の方に対して連絡を送る際に、連絡系統を複数持っておくための方法です。

 

通常、この3人に対してメールを送ろうとする時は、「3人を宛先にした、1通のメール」を送ると思います。
私のおすすめはこれにプラスして、さらに個別のメールを、その人数分だけ送っておくということです。

宛先が3人のメールはいわゆる業務上のメールで、「本日はお時間いただきありがとうございました。本日いただいた●●に対しては●●のように対応します」といったような要件のやり取りを行います。

 

一方、個別のメールでは、個人の印象や感情のやり取りがしやすくなることが利点です。

上位役職者と直接やり取りする機会を増やすことができる

私は、実際に個別のメールではあえて文章のテイストを分けたりしています。

例えば、3人の中で担当者と特に関係ができているのであれば、普段メールを送る際には相手の名前を「●●様」と書くところを、「●●さん」にして少し距離を縮めてみたりします。

そして、もともと3人それぞれに個別でメールを送っておくことで、電話で部長や課長の印象や主観を聞きたい場合に担当者を飛ばして電話をかけたとしても、「この人はそういう連絡の仕方をする人なんだな」と思ってもらえるというメリットがあり、これが後で効いてくるのです。

もちろん中には、「わざわざ自分にメールを送ってこないで、担当とやり取りしてほしい」とおっしゃる方もいますが、試してみるだけなら損はありません。 

これをやり続けていくことで、全体としては上位役職者に対して直接電話やメールでやり取りする機会が増えていくということになります。


またこの方法は、部長はいるけれども会えていない、どうにかアプローチしたい、というようなときに応用することもできます。

このような場合、担当か課長のどちらかを味方につける必要がありますが、その際、業務上の要件のやり取りだけだと、その連絡の中ではなかなかお願いしづらいものです。

しかし普段から、業務のやり取りとは別に個別のメールを送っておくと、その個人的なやり取りの中からお願いするというルートも可能になっていきます。

2つの場を分ける

相手が組織立って意思決定や判断などをする時は、大抵の場合、「会社としての答え、会社としての顔」と、「個人としての答え、個人としての顔」があるものです。

そこで意図的に、全体向けのメールでは、「会社としての顔で答えてください。会社としての要件のやり取りでお願いします」としておき、一方個別のメールでは、「個人としてのやり取りでお願いします」、としておくことで、2つの場を分けているのです。

そうすると、競合他社は業務上のやり取りだけでなかなか食い込めないなか、自分は業務とは別の個別メールで関係性ができており、電話をした場合でも、あらかじめメールを送っている間柄であれば、お客様もそこまで不自然に思わないケースが多くあったりします。

このようにコミュニケーションルートを複数持っておくということを常に意識してみてください。

そうすることで、相手が組織立っていて、なかなかキーマンに食い込めないという状況でも、アプローチの取っ掛かりになったりします。

 

メールや電話の方法についてはいろいろな工夫ができる部分なので、ぜひいろいろと試していただければと思います。

コラム高橋浩一