質問力:「貸し借り」の概念とは

質問力における「借り」「貸し」とは?

質問力を活用した方法について本日はお伝えさせていただきます。 営業現場においての「借り」や「貸し」とは、お客様との関係性を表した言葉としてここでは使っています。

営業をされている方であれば、お客様になるべく「価値提供したい」「貢献したい」「お役に立ちたい」という思いがあるはずです。

そこで、お客様と自分自身との関係性についてお客様への借りが多い状態の「借り超」とお客様への貸しが多い状態の「貸し超」という概念を使っていくと、お客様への貢献度合が考えやすくなってきます。

★「借り」とは 例) ・こちらが質問 して、お客様にわざわざ答えていただいてる ・こちらがアポイントのお願いをして、時間を取ってもらっている ・こちらが上司の同席をお願いして、上司を出してもらっている ・社内での根回しをお願いして、やってもらっている

つまり、お客様に何かをやって頂いている状態を「借り」とします。

★「貸し」とは 例) ・適切な質問 によってこちらから何かプラスになる情報提供をしている ・お客様の情報収集や資料作成の仕事を一部お手伝いして、何かで相手のお役に立っている ・相手に感情の共感を示すことによって、明らかに相手に心地いいと感じていただけるような時間を作れている ・何か相手に対して適切な質問 を通じて生産的な提案や提言ができている

これが「貸し」です。

「借り」が多い状態がいわゆる「借り超」、貸しが多い状態が「貸し超」ということになります。

自分自身に質問 し、具体的に整理してみる

ここで、ぜひ営業 を担当されている皆さんには、ご自分の取引先や、あるいは訪問先の企業を「借り超」「貸し超」で並べてみていただきたいのです。

「借り超は何社くらいあるな」「貸し超は何社くらいあるな」と考えてみてください。

取引がなくても借り超・貸し超というのはあります。これがポイントです。

例えば、まだまだ新規の仕掛けをたくさんしていて、取引が無い状態でも、下記のような場面はあるかと思います。

・こちらがプラスの情報をたくさん提供している。 ・わざわざ時間を取ってもらってることよりも、こちら側が提供している価値が多い

こういったケースは、たとえまだ取引が始まっていなくても貸し超になりえます

逆に、毎回お願いしてアポイントをもらっているけれども、こちら側から響くインパクトのあるものが出せてない場合は借り超です。

そして、だいたいこれが整理できてきたら、貸し超の方からのトップ3のお客様をイメージし、貸し超トップのお客様に対して、「当社がお役に立てている理由」「評価されている理由」「良いと感じていただいた点」など…これらをどんどん質問 していくのです。

貸し超のお客様に対して質問 をするのは、借り超のお客様から質問 をするのに比べてハードルが低いですよね。

そのため、貸し超のお客様の順位が高い方から順番に、なるべく普段の営業 活動でこちらが知りたい情報、例えばお客様から選ばれている理由や、必要とされている情報、どのような課題を抱えているのか、などを質問してみてください。

情報をいただきやすいお客様

営業 の方の中には、「ヒアリング ができない」「質問 ができない」と、おっしゃる方々が多くいらっしゃいます。

そうおっしゃる方々は「借り超」のお客様にいきなり質問 して行き詰まっている場合が多いのです。

そういうときは、貸し超のお客様への質問 に慣れてから、借り超のお客様にアプローチをしていくとうまくいくケースが増えます。

お客様へのヒアリングの循環を、ご自身の営業アプローチで考えていく時には、ぜひ借り超・貸し超で整理してみてください。ぐっと考えやすくなるはずです。