法人営業においてお客様からのシャットアウトに対応する方法

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法人営業におけるお客様との関係性を有利に進める秘訣

営業活動をしていると、お客様から追加でご要望をいただいたり、一度持ち帰ってあらためて回答することになったり、「お客様から宿題をいただく」という状況になったことがあるかと思います。

「頼みごとをされる」「準備不足で不備があった」など、お客様との商談の場では解決できずに生じた宿題は、対応しないとその後の商談に差し障りが生じます。

しかし、宿題とは問題解決型やマイナスを埋めるためのものだけではありません。

今回は、ぜひ一度試していただきたい “商談を有利に進める材料となる宿題” についてお話します。

【高橋流コンタクト術】「何かやれる余地」を残しておく

コンペの場面を想定してみてください。

お客様にご提案してみたが、どうも反応がよくない。追加のアクションをしようとしていると「御社の提案はだいたいわかりました。後は検討しますから結果をお待ちください。」と言われてしまったとします。

そこで食い下がっても、「いやいや、もう充分ですから。追加でご説明いただくことはありませんよ」と、シャットアウトされてしまいます。


このような状況では、コンペ受注の確率は相当低いと言えるでしょう。

しかし、ここで「こちら側が何かやれる余地」を残しておくと、その先の商談の雰囲気が変わってくるのです。

不利な商談内容に対して、最後にフォロートークをするのではなく「応えなくても差し障りはないが、何かをやってくることをほのめかす」というトークをしてみましょう。


例えば、商談に終わり際にさらっと、

「あ、先ほど●●さんがおっしゃった●●について、私も社内の人間にちょっとあたってみますね。もし何かあったらご連絡します。」
と言ってみます。

「一応あたってみます」「何かあったらご連絡しますので」というトーンでお伝えしておくと、もしやらなかったとしてもお客様が気を悪くすることはありませんし、実際にやったらプラスになります。

この場合、こちらがタスクを受け持つこと自体に意味があるのではなく、お客様に連絡する口実がちゃんとできているということが大事なのです。

好きな時に連絡ができる状態を作る

不利なコンペの場合、お客様に連絡を取りたくてもなかなか連絡を取る口実がなく、シャットアウトされたような状況になってしまうと、続きの流れが悪くなることが多くあります。

そのような状況で、お客様に連絡する口実となるライトなタスクを持っておくと、「先日私がお話していた件で、社内の人間に聞いてみたところ、こういうことがありまして…」という切り口で、お客様にご連絡できます。
そして、その流れで「今のコンペの中間順位としてだいたい当社は何番目くらいでしょうか?」あるいは「上司の方の反応ってどうでしょうか?」など、追加で質問するチャンスができます。


つまり、「応えなくても怒られない宿題」を持っている状態というのは、お客様に対してこちらから好きな時に連絡ができる、ということなのです。

この「好きな時に連絡ができる」というのが大きなポイントです。

コンペ中は、「公平性の観点から、どこか1社とだけ会う回数は増やせません」などと言われてなかなかコンタクトしづらいものですが、ひとつコンタクトの口実ができている、というだけで非常に大きなインパクトを生むこともあります。

ですので、「応えなくても怒られない宿題」というのをぜひ皆さんも積極的に活用していただきたいのですが、ひとつだけ注意点があります。

応えなくても怒られないようにしたつもりが、応えなかったら怒られてしまう状態で持ち帰ってしまうと大変です。

あくまで、「何かあった時に連絡しますね」くらいのトーンで、相手の期待値を握っておくこと。
これが大事なポイントです。