質問力の秘訣:ご検討状況は?がダメな理由 日経ビジネス連動企画

質問力の秘訣:ご検討状況は?がダメな理由 日経ビジネス連動企画.png

質問力の重要性

「質問力」は私が研修やコンサルティングをさせていただいている中で一番大きなテーマなのですが、ハイパフォーマーと言われる営業成績の良い方は、やはり共通して「質問力」に長けています。

なぜ、30秒たつと値引きしてしまうのか:日経ビジネスオンライン

なぜ、30秒たつと値引きしてしまうのか:日経ビジネスオンライン

「質問力」を上げるためには、自分が確かめたい情報や自分が得たい情報を聞くための「手法」を持っているかどうか、ということが重要になってきます。

例えば、質問の手法としてオープンクエスチョンやクローズドクエスチョンは、営業職ではない方でもご存知の方も多い概念かと思いますが、残念なことに多くの場面で漠然としたオープンクエスチョンが使われがちです。

営業の現場では「提案をした後の確認」の際に、残念なケースが多くみられます。

“ご検討状況はいかがでしょうか?”の曖昧さがゆえのリスク

私自身の経験の話なのですが、自社に取り入れたいサービスや商品をどこかの会社さんに発注しようと検討していて、迷って決断を保留している際に営業の方々からお電話をいただくということが何度もありました。

ほとんどの営業の方々は、「ご検討状況はいかがですか?」という質問をなげかけてきます。
しかし、この場面でこの質問はとても残念な質問なのです。

というのも、お客様が喜んで発注したい場合は、早々に営業の方に連絡するわけで、その電話がないという時点で他の選択肢と迷っている可能性が高いわけです。

このように、他の選択肢と迷っている相手に対して
“ご検討状況はいかがでしょうか?”
という、オープンクエスチョンを投げかけるとどういうことが起こるかというと、、、

お客様から正直に状況をお答えいただけるケースばかりではありませんし、対法人の営業現場であれば、はぐらかされたり、曖昧に答えられたり、忙しいから簡単な回答しかもらえなかったりすることがほとんどです。

つまり営業する側からすると、クロージングするために必要な情報を得ることができなくなるばかりでなく、お客様がどういう検討状況にあるのかということもわからなくなってしまいます。

 「ご検討状況はいかがでしょうか?」という質問一つでは、状況を探ることはできませんし、前に進まないのです。

具体化する質問ができてこそハイパフォーマーへの入口

このようなケースの場合、お客様が回答を引き延ばしている時点で、他の選択肢と迷っている状況だと言えます。

例えば、

・他社からも提案を受けており、どちらにするか迷っている
・そもそもお金を使って外部に発注して良いか迷っている
・自社でも取り組み可能ではないのか、あえて外部に頼む必要があるのか迷っている
・今契約する必要があるのか、時期で迷っている

ということです。

上記のような状況が発生している際に、受注に近づけるためのポイントは「お客様が迷っている状況を、追加のアクションが間に合う段階でしっかり特定し、しかるべき追加対応をする」ということです。

お客様のお悩みに対する追加の材料を提供できれば、お客様の検討状況が前向きなものに転換されるかもしれません。

迷っている内容を教えていただいたり、追加材料提案のタイミングを捉えたりするためには、「ご検討状況はいかがでしょうか?」というオープンクエスチョンが適切でないことは、おわかりいただけたかと思います。

課題を具体化するための質問をどこまで使いこなせるかということが、重要な要素となってくるのです。

「具体化する質問を何に対してぶつけるか。」

詳しくは日経ビジネス連載記事の中に譲りますが(こちらをクリックください)

・何と何とで迷っているのか、
・迷っている中で、どのあたりがネックになっているのか、
・逆に後押しするプラスの材料は何なのか

この辺りをしっかり聞けるかどうかが、非常に重要になってきます。



ハイパフォーマーの営業の方は疑問点を詰め切ることにも長けています。ぜひ皆さまもご提案される際に、しっかり確認すべきポイント、具体的に詰めていくポイントを意識されてみてください。