相談したいランキング1位を獲得する秘訣

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「相談したいランキング」と「マインドシェア」

「相談したいランキング1位」というのは、いわゆるマインドシェアのようなものです。

何かあった時、色々なつきあい先や発注候補先がある中で「この会社の、この営業の人に聞いてみよう」「相談してみよう」という風に、お客様から1番に名前を思い浮かべてもらえる、そして1番に連絡が来るという状態を「相談したいランキング1位」と言っています。

 

この「相談したいランキング1位」について、なぜ「マインドシェア」という言い方をしていないのか、それには理由があります。

マインドシェアというのは、概念的には確かに、お客様の頭の中を占めているということかもしれません。
しかし、では具体的に「どうなったらマインドシェアが高いのか」ははっきりしていません。

 

これに対し「相談したいランキング1位」というのは、相談したいと思った時に他の会社よりも先に一番に声を掛けてくださる、という「事実」があります。
その事実によって、お客様からの位置づけをはかることができるのです。

なぜ「相談したいランキング1位を取りましょう」と強調するのか。

営業の方であれば、既存のお客様からのリピートもあると思いますが、やはり新規のお客様からもお仕事をいただきたいですよね。

しかし新規のお客様というのは、だいたい自分よりも前に他の営業の方とお付き合いがあるか、もしくはどこの会社ともお付き合いをしていないという状況で、どちらにしろ自社が入り込みやすくはないものです。

ここでいきなり商品やサービスの提案を持っていこうとすると、その提案は成功率が低くなってしまいます。

 

提案を頑張って通そうとするとき、だいたいの場合、時間が限られた中でやらないといけないですよね。

何か案件が発生してからお客様が決めるところまでというのは、そんなに時間の猶予があるわけではありません。

だいたいは競合の方が慣れていて情報量もあり、そのお客様を理解しているため、こちらが提案でいきなり上回るのは難しいのです。

 

一方、お客様からの相談したいランキング1位を取るというのは「時間が定められていない、いつでもできる活動」です。

極端な話、初回訪問で初対面でも、何かに関してすごく詳しい人だということがお客様に伝わっていれば、「初めて会ったばかりの営業だけど、●●についてはあの人に聞いてみようかな」と名前を思い浮かべていただけるかもしれず、これはそんなにハードルが高くないことです。

この「相談したいランキング1位」という状態を続け、積み重ねていくことで、相談の延長線上に何かの依頼や発注をするということが起こってきます。

相談や依頼が来たら理由を確認してみる

この相談したいランキング1位を取るということを明確に決め、さらにもっと踏み込める方は、お客様に聞いていただきたいことがあります。

例えば何かの相談や依頼をいただいたときに、「ありがとうございます、しっかり対応させていただきます。ちなみにこういう相談というのは、他の会社さんにもされているものなのでしょうか?」と聞いてみてください。

ここで、自分が相談したいランキング1位だと、

「いえ、他の会社にはまだ相談していません」
「御社だけです」
「御社が1番です」

といった答えが返ってくるはずです。

 

そこですかさず、「なぜ他にも良い会社があるにもかかわらず1番に私にお声がけいただけたのでしょうか?」という趣旨のことを聞いていただきたいのです。 

そこで返ってくる答えの中には、自分がお客様のどのような悩みや課題に対して答えられているからお声がけいただけているのか、何らかの理由がわかるはずです。

理由が確認できれば再現できる

色々な研修やコンサルの現場では、実態としてお客様からの「相談したいランキング1位」を獲得されていても、実際に獲得したその1位について、事実や理由を確認している方はほとんどいらっしゃいません。

これはとてももったいないことです。

もしそこでしっかり裏をとって理由を確認していれば、他の会社でも再現することができます。

 

そのお客様から相談したいランキング1位を獲得して、さらに取引もいただけたとなったら、他の新規のお客様に対しても同じように再現できます。
最初はビハインドであろうとも、まずは受注よりもハードルが低い「相談したいランキング1位」を狙っていき、そしてその1位を取れたら、その延長線上に取引があるのです。

どんなに他社が入り込んでいても、相談事というものはある一定頻度で発生するものなので、そこに焦点を当てていただきたいのです。

守りの時にも気にしたいポイント

実はこれは、他社がしっかり入り込んでいるお客様を攻めに行く場合だけではなく、こちらがお客様をしっかり掴んでいるような守りのときにも有効です。

 

自社の既存のお客様で、こちらとしてはしっかり守っているつもりだけれど、相談事が来ない。こうなったら注意が必要です。

いくら商売上のシェアが高くても、相談事が来るシェアが低いということは、もしかすると他社に相談しているのかもしれませんし、もしくは自社に不満があるということかもしれません。

そういう意味で守りの場面でも「相談したいランキング1位」になれているかということは、たとえ自社がシェアトップという位置を取っていても、気にしていただきたいポイントなのです。

 

商売上のシェアは低いけれど「相談したいランキング1位」になっている他社がもしいた場合、その相談の延長線上に、他社に対して依頼や取引が発生してしまうかもしれないからです。

守りだからと安心せず、常に意識しておくようにしましょう。