決裁者に会わせたがらない担当者へのアプローチ法

 提案に対して、目の前のご担当者は悪くない感触……。
しかし、その裏にはまだ会えていない決裁者がいることが分かっています。

 決裁者とのアポイントをお願いしても、担当者が決裁者に会わせたがらないケースでの常套手段は「こちらも上司を連れていきますので…」ですが、他にもアプローチ法は複数存在します。

 
 

お客様のタイプ別アプローチ法

 本来、決裁者の立場からすれば、自分の時間を使いたくないから担当者にある程度任せているはずです。
そのため、「相手が上司も来るから」という理由だけでは気持ちが後ろ向きになりやすいもの。
なぜなら担当者も厳しい目線で見られてしまうからです。

 ここで、お客様を3つのタイプに分けてみましょう。

  • 論理:意思決定へのイニシアチブを持とうとし、理屈で判断するタイプ

  • 感情:意思決定へのイニシアチブを持とうとし、好き嫌いで判断するタイプ

  • 政治:意思決定へのイニシアチブを手放そうとし、他人に判断を委ね、面倒ごとを回避するタイプ

 
 

〈論理タイプの場合〉

 論理タイプの担当者に対しては「今回のようなケースであれば、判断軸として考えられるのは、『現場の使い勝手』と『効率化のインパクト』と『即効性』あたりかと思いますが、その優先順位はどれが1番ですか?」のように、判断が少し難しめ(だが、お客様が答えを出さないといけない)な問いを投げます。
言語化力が高いので、判断基準の優先順位を正面から考えてくれる傾向にあります。

 もしそこで優先順位の判断に迷うようなら「上司を連れてきて一緒に話した方が話が早いのでは」のように、合理的判断をしてくれやすい傾向にあります。
そのためには、お客様にとっての判断基準をあらかじめ考えておくことが必要です。

〈感情タイプの場合〉

 感情タイプの担当者に対しては 「〇〇様のご意見はいかがですか?」と、担当者ご本人の意向を伺うといいでしょう。
イニシアチブを持ちたい感情タイプの担当者にとって「愉快でない体験」は、自分の頭を越そうとされること。
そのため「あなたと話しても決まらないので、上司に会わせてほしい」と伝わってしまわないよう注意が必要です。

 感情タイプの担当者が考えていることや想いを十分に汲み取るために、まずは目一杯深掘りしましょう。
その上で、「どうしたら●●様(目の前の担当者)の想いが実現できますか?」と働きかけていくことで、担当者と二人三脚で考えるモードに移行できます。
焦らず、まずは担当者をしっかりと味方につけることが必要です。

〈政治タイプの場合〉

 政治タイプの担当者には 「部長(目の前の担当者の上司)もすごくお忙しい方ですよね。
ちなみに普段は…」という切り口から、日常会話や普段のやり取りについて質問するといいでしょう。

 そこで確認するべきは「上司の評価ポイント」。
政治タイプのお客様にとって、上司の存在は影響度が大きいので、押さえておくといいですね。

 政治タイプのお客様に「上司の判断基準は何ですか?」と聞くだけでは、情報が十分に得られないことがあります。
当案件の決裁に関わる判断基準以外にも、“担当者が上司と普段どういう会話をしているか”の中に貴重なヒントが隠れています。

 一見すると遠回りに見えても、「日常の会話」や「口癖」を知ることが大事です。

 お客様が何に価値を感じるかは、そのタイプによって変わります。
タイプを見定め、対応を変えることで、決裁者に会わせてもらえるよう働きかけていくことが必要です。

 

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高橋浩一