仕組みで勝つ会社と人で勝つ会社

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会社によって営業戦略には様々なパターンがあります。大きく2つに分けると、「仕組みで勝つ会社」と「人で勝つ会社」です。

今回は、営業の強さで有名な会社を例に、それぞれのパターンを解説します。

仕組みで勝つ会社の営業例

まず一つ目は、プルデンシャルの営業例です。私は、プルデンシャルの複数の方から営業を受けたことがあります。

その中で、彼らの営業スタイルに共通する点を発見しました。おそらく、その共通点は社内マニュアルによるものだと思います。


プルデンシャルの営業の方は、電話に私が出なかった場合、私からコールバックをしなければ、それ以上電話をかけてこないのです。

一般的には、お客様に営業の電話をして、相手が出ず、コールバックがなければ、もう1度かけ直すことが多いかと思います。

私自身、たくさんの営業の方から何回も電話をいただいた経験があります。

しかし、プルデンシャルの営業の方は、その一般的なスタイルと全く違っていたので興味深く感じました。

おそらく、プルデンシャルでは、「1度不在着信を残してかけ直してこないお客様は、見込みがないのでかけ直しをしない」といったルールが組織で決まっているのだと思います。

続いて、キーエンスの営業スタイルについて解説します。


最近キーエンス出身の方から、営業コンサルティングやトレーニング事業を始めたいという相談が増えました。

キーエンスのような営業の強い会社出身の方に、相談したいと言っていただけることは個人的に光栄なことです。

一方で、今から始めようとしている仕事の同業者にあたる私に、「同じような業態の会社を始めたいので話を聞きたい」といったデリケートな質問をするのことに対して、躊躇する部分があるのではないかとも思いました。

しかし、キーエンスのDNAが流れた営業の方々はとにかく質問することに躊躇がなく、集客方法やサービスの価格帯、サービス性はどうかなど、戸惑うことなくどんどん聞いてこられました。

喋ることは得意でも、お客様に質問ができないという営業の方を多く見受けます。

その点、キーエンスの営業の方々は徹底的に質問力を鍛えられており、呼吸をすることと同じように、自然に多くの質問をすることができます。

上記で例に挙げた2社は、会社としてのルールや文化などの“仕組み”が、営業力の強さを生んでいると感じました。

人で勝つ会社の営業例

一方で、リクルートや野村証券のように、人で勝つ会社は先輩営業マンの伝説や、語り継がれるエピソードが印象的です。

以前教えていただいたリクルート出身の伝説の営業マンの話は、とにかくクロージングが強いという印象でした。

クロージングが強いというのは、お客様に断る隙を与えないといいますか、そういった雰囲気を全く出させないということです。

伝説の営業マンの商談に立ち会った方から聞いた、印象に残ったエピソードがあります。

ある商談で、お客様が戸惑ったり迷ったりすると、伝説の営業マンは大きな音をたてて手帳を閉じるそうです。 

決める気がないのなら帰ります、といったオーラを漂わせることで、お客様が断れない雰囲気を演出していたのです。

このエピソードは社内で語り継がれ、営業の参考にされています。

「仕組みで勝つ会社」と「人で勝つ会社」、どちらが良い悪いといったことはありません。

営業組織を管理される方にとって、強い営業組織をつくる際にどちらのスタイルで構成するかや、どのような組織文化を作っていくかは、大きなポイントとなります。

営業組織の強化をお考えの方は、是非、参考にしてみてください。