「今じゃない」で保留されるお客様に対するアプローチ法

 提案に対する反応は悪くなかった、むしろどちらかというと、お客様は「導入したい」「買いたい」などとおっしゃってくださっていた。
それなのに、いざ最終的な検討段階に入ると「検討したのですが、もう少し考えようかと思いまして……」と、保留されるはよくあるものです。

 多くの営業は、保留という反応に対して、「今決めていただければ安くなります」のように、期間限定のキャンペーンや価格を武器にしたクロージングでアプローチをするのではないでしょうか。

 もちろん、本当にどうしても受注したいというお客様や案件であれば、価格を武器にしたクロージングもありですが、できれば、価格を武器にしたクロージングは最終手段にとっておき、それ以外のところで導入を決めていただきたいものです。

 ここでは、お客様を論理タイプ、感情タイプ、政治タイプの3つに分けて対応を考えていきたいと思います。

論理タイプの場合

 「5対5か6対4でいうとどちらに近いですか」のように言語化をしていきます。
お客様がそこで「6対4です」とおっしゃったら、「どういうところに6の魅力を感じるのか教えていただけますか」と聞いた上で、「保留の要因となる4の部分についてもう少し詳しく聞かせていただけますか」と、導入する理由と、保留する要因となっているもの両方に対してアプローチをしていくといいでしょう。

感情タイプの場合

 時期のことはさておき、「導入したいと思っていただいているのでしょうか」と聞いた時、お客様から「導入したいと思ってるんですよ」という答えが返ってきたとします。
そこで、「ありがとうございます。今導入したいとおっしゃってくださいましたけど、そこをもう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか?」と、とにかく導入したいという気持ちに対する強化をして、ひたすら考えを引き出していきます。

 そして導入したいという気持ちが高まったときに、お客様の方から、「本当は導入したいと思ってるんだけどちょっと協力してくれないか」となれば、社内を説得するための協力依頼が来ることがあります。

政治タイプの場合

 お客様が政治タイプの場合、他者の顔色をうかがう傾向が強いです。
「賛成派と慎重派の方が両方いらっしゃると思うんですが……」と持ちかけて、賛成派がどなたなのか、慎重派がどなたなのか、社内の縮図がどういうふうに分布しているか、傾向として表れているのかを確認しておきましょう。
その後、組織の中で意思決定の影響を握っているキーパーソンをチェックし、どのように働きかけていくか、作戦を考えていきましょう。
政治タイプの方はどちらかいうと自分の意見をそこまで持たずに他人に委ねるという傾向があるので、組織の意思決定のロジックや、その影響の仕方というのが見えてくると、対処の仕方が見えてきます。

 このように、商談で「今じゃない」と保留しようとするお客様は、論理、感情、政治の中でどのタイプかを考えた上で、タイプに合ったアプローチしていくことをおすすめします。

 

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高橋浩一