新刊書籍出版への想い by 高橋浩一 vol.4:精神論に頼らず「営業を科学する」〜お客様とのズレを認識する〜

精神論に頼らず「営業を科学する」

いつもありがとうございます。TORiXの高橋です。


10/12より店頭販売が開始する、新刊書籍「無敗営業」(Amazonにて好評発売中)について、

6回連続で、どういう想いで書いたのかということを、自分の言葉で伝えていこうと思います。今回は4回目です。

アーカイブはこちらから↓

Vol.1 新刊書籍出版のお知らせ:「人と組織はちょっとしたきっかけで変わる」〜営業を「構造」から科学する!無敗営業「3つの質問」と「4つの力」              

Vol. 2 新刊書籍出版への想い:「営業」に対する恩返し 〜人見知りの少年から無敗営業へ〜


Vol. 3 新刊書籍出版への想い:「営業やりたくない」問題 〜「営業職」と「営業力」の混同〜


書籍執筆の大きな動機として、

「『営業』に対する恩返し」

「『営業職』と『営業力』の混同に対する提言」といった考えや想いについて、書いてきました。

前回は、「営業力は才能や特殊な技術がなくても、高める気になれば、いつでも誰でも、高められる」と言うことをお伝えしました。では実際に「精神論(=勘・経験・気合いや根性などの特定の人物に属人化した要素)以外の方法で、どうやって営業力を上げるのか」についてお伝えしたいと思います。


もう一度会いたい営業とは?

書籍でもたびたびご紹介をしているのですが、「会社の予算を使って営業から何かを購買した経験がある方々」に対して、当社では全24問からなるアンケートを実施しています。

この調査結果は、「お客さまの目線から、営業はどのように見えているのか」「営業が知らないところで、お客さまはどうやって社内検討を進めているのか」といったポイントを調べてみたものです。

アンケート24問の中に、こんな設問項目があります。

「いろいろな会社を検討する中で 『もう一度会いたい』と思える営業担当者に出会う確率を選んでください」

さて、「もう一度会いたい」と思えるような、レベルの高い営業担当者にお客様が出会う確率は、何人に一人なのでしょうか。

この結果は、本書でもご紹介しています。「何人に一人なのか」の答えは、読んでいただいてのお楽しみということで(笑)数字を伏せさせていただいています。

===(以下、引用)===

アンケートでは、もう一度会いたいと思える営業担当者に出会う確率を「2%未満」「2〜5%」「5〜10%」「10〜30%」と、選択肢を設けて聞いています。

これらの数値を ざっくり期待値計算すると、お客さまが「もう一度会いたい」と思うレベルの営業に出会う のはX人に1人(注:書籍では実際の数字を記載)となります。

お客さまの立場からすると、「この営業は素晴らしい!もう一度会いたい」と思う確率 がX分の1ですから、裏を返すと残りは「ハズレ(とお客さまが感じる営業)を引いている」ことになります。

実際、私が経営している会社でも、いろいろな会社様から営業を受けます。打ち合わせや電話、メールの所作から「この営業パーソンは信頼できるな」と感じる割合は、そう多くありません。

世のなかの多くの営業現場では「信頼関係を構築するために、お客さまへの訪問頻度を増やし、こまめに連絡を取りなさい」と指導されています。しかし、どんなに接触や連絡の頻度を増やしても、そこでお客さまの信頼を得る行動がなされているかが重要です。

===(引用ここまで)===

営業マネジメントや指導の場面では、「お客さまとの関係を構築せよ」ということは口を酸っぱくして言われますが、そこから先は、得てして精神論的なメッセージで終わってしまいがちです。

もちろん、営業というのは「人と人とが相対するもの」ですので、相手を大切に思ってお役立ちしたいという姿勢は非常に重要です。ただ、そういう姿勢をもってしても、なかなか成果が出ない営業の方が多い、というのが、営業の難しさではないでしょうか。

そこで、X分の1の確率で現れる「お客さまが『アタリ』と感じる営業(さらにお客様の印象に残り、感動さえする営業)はどのような特徴を備えているのか」について、アンケートで聞いています。


===(以下、引用)===

では、お客さまが「もう一度会いたい!」と思って信頼を寄せるハイパフォーマーは、いったい何が違うのでしょうか。グラフをご覧ください。



この設問では、「過去に出会った中で最高だと思った営業の特徴を教えて下さい」と、お客さまに聞いています。


貴重なハイパフォーマーがどういう営業なのか、お客さまに尋ねたアンケートです。自由回答で書いていただいたコメ ントについて、回答からキーワードを抽出し、グルーピングしました。


調査結果を集計すると、一番多かった回答が「XXXXXXXXXXX」(注:書籍では実際の内容を記載)の 32%でした。注目すべき点は、「提案力」「スピード」誠実さ」といった数々の項目よりも、「XXXXXXXXXXX」へのニーズが際立って高い点です。

===(引用ここまで)===

ここで、トップにあがってくる項目は、本書で詳しく解説していますが、2番目以降にあがってきている項目を以下、列挙します。

●提案力・説得力

●迅速・早い・即答・機敏

●誠実・誠意・真摯・正直・ 約束を守る・嘘をつかない

●柔軟・機転・トンチ・融通が利く・ 臨機応変・スマート

●粘り強さ・努力・熱意・諦めない

●気が利く・プラスアルファの答え・ 痒い所に手が届く

●豊富な情報・知識

どれも、営業として大事なことばかりです。


これらの項目を抑えて、圧倒的なトップに君臨する項目は何だと思いますか?

こういった購買担当者への調査から見えてくる「事実」に基づいて、「営業現場でほんとうはなにが起きているのか」を構造的に分析していくと、「お客様と営業マンの間の心理的ズレ」が明白になります。

つまり、「当たって砕けろ」の精神で場当たり的に活動するのでもなく、「あの人はあれで上手くいった」と一部分を切り取ってスーパー営業マンの真似をするのでもなく、一つ一つの商談やコミュニケーションの裏で「ほんとうはなにが起きているのか」という構造に大局的に焦点を当てるのです。

(もちろんハイパフォーマーの行動分析をして「自社オリジナルの型」の構築をすることはありますが、お客さまお一人お一人、一つ一つの商談はすべて「その時にのみ巻き起こる」リアルタイムの現象です。ですから、目の前の出来事を大局的にかつ構造的に捉えて、戦略を立てることが重要です)


お客さまは、営業がどれだけ(お客さまの)ニーズや期待から「ズレて」いたとしても、率直に教えてくれません。営業活動における小さな一つ一つの行動が「お客様からほんとうはどう見えているのか」を意識せずに、勘・経験・気合いや根性などの精神論に頼って活動していても、成果は上がらないはかりか、「お客様さまとの心理的ズレ」は増すばかりです。

この「お客さまとの心理的ズレ」に気づくことができれば、営業未経験でも、営業経験1年目でも、営業の才能があろうとなかろうと、どんな人でも「お客さまから選ばれる」確率は格段に上がっていきます。

これらの発見を、皆さんと共有したい、と思ったのが、書籍執筆の大きな理由でもあります。

また、続きを書きます。

Tomomi Kimura