「提案は良かったけど価格で負けました」をなくすための顧客心理分析

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TORiX営業コンサルタントの藤巻です。
普段は営業研修の企画から実施、研修後の実践支援などをお客様と二人三脚で進めさせて頂いております。

まずはお知らせです。
今年の10月に代表高橋の新書籍が発売されます。

出版日までに、継続して、著書の内容の一部を少しづつ公開しながら、営業に関する情報を発信していきます。

書籍では、「お客様はどうやって営業を選ぶのか」ということを構造的に解明しながら、価格競争に巻き込まれず、提案で勝てるようになるための具体的なアプローチをお伝え致します。

今回は、発売に先行して書籍の内容を一部ご紹介させて頂ければと思います。

営業担当者からの失注報告でよく聞く「価格で負けました」というセリフ。
練りに練ったはずの提案が最後は価格で負けてしまうという葛藤を抱えている方が多いのではないでしょうか。

今回は、顧客心理を分析し、その葛藤を解消する方法です。


「結局、お客様は価格で決めるんです」

営業パフォーマンスが上がらずに苦しんでいる営業担当者は、皆様、こう言います。
確かに、お客様の立場からすると、「良いものをなるべく安く買いたい」というのは自然な心理です。
ただし、「価格だけで全てを決めているのか」というと、それはNOです。
何かを買う行為には、その用途や目的がひもづいています。「安物買いの銭失い」ということわざもあります。

 

とはいっても、実際の提案場面では、購買担当者が提案書を険しい顔で見つめ、沈黙の時間が流れた後に、

「他の会社さんとも比較しているので、もう少し安くなりませんか?」

と言われ、心の中で「えっ?けっこう価格も頑張ったのに、まだ値下げしてくれとは、血も涙もないのか……」と葛藤されていると思います。
そこで多くの営業担当者はやはり思います。
「結局、お客様は価格で決めるんだ……」と。


しかし、この時に一度とどまって欲しいです。
「顧客は本当に価格の事だけを考えているのか?」と。
これが今回の記事で皆様にお伝えしたいことです。

 

「お客様が高いとおっしゃる台詞の背景に何があるのか」。
つまり、「お客様は実際のところ、何で決めているのか」が重要なのですが、これがブラックボックスになっているのが多くの営業現場での現状です。

 

この「お客様は実際のところ、何で決めているのか」を知るために、弊社で、「実際に会社の予算を使って購買した経験がある方」に対して、アンケート調査を実施しました。
その中に、「発注先の会社を選ぶにあたって、あなたが普段重視していることを、1位から3位まで選んでください」という設問があります。

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発注にあたって、1位・2位・3位というふうに、選定基準の項目に順位をつけていただいているのですが、先のグラフの赤の囲みのところにご注目ください。

価格に関連する項目が二つ並んでいるのですが、片方は「費用対効果への納得感」で、非常にスコアが高い。もう一つが「とにかく他よりも金額が安い」ということです。

2つとも、「価格」のことに言及しているのですが、意味合いは違っています。

「費用対効果への納得感」というのは、効果と比べて価格に納得できるかどうかということで、「とにかく他よりも金額が安い」は、他の会社の見積もりと比べています。

 

そこで、幹部やマネージャーの方に確かめていただきたいことがあります。

部下から「提案は刺さっていたんですが、価格で負けました」と報告されたとき、その「価格」が「費用対効果」なのか、それとも、「他社との単なる価格差」なのか、きちんと確かめているか、ということです。

「すごく安い価格で出してきた競合がありまして」という報告の裏側にある真実は、「費用対効果」に対する顧客のシビアな目線であることが、実際はしばしばあります。

しかし、そこを確認してくる営業は、なかなかいません。

よく、営業研修でこういった場面を扱うロールプレイをやるのですが、ほとんどの営業の方は、「価格が……」という顧客の台詞に対して、すぐに値引きを打診します。

「高いと言われたらすぐ値引き」が条件反射になっている営業担当者は、価格以外に戦う術を知りませんし、「営業の勝敗は価格で決まる」と思いこんでしまっています。

「価格」といっても、それは「費用対効果への納得感」なのか「他社との比較」なのか。営業マネージャーとしては、そこをしっかり確認してきているかに注目しましょう。


以上、新書籍の内容を一部、紹介させていただきました。

1つの失注理由を取っても、営業には直接的には言わない、顧客側の様々な判断理由が隠れています。
提案場面で、「顧客は実際何を考えているのか」、「何に迷っているのか」を判明させていきながら、皆様の営業現場の実態を「科学」して頂ければと思います。

 

新書籍は10月上旬に発売予定です。
ぜひ書店でお手に取っていただけますと幸いです。

 

以上、お読み頂き、誠にありがとうございました。

高橋浩一