2016.09.08

コラム

質問力 のプロの悩み時期について【後編】

質問力 のプロが悩みの中でたどり着いたひとつのキーワード

質問力 のプロの悩み時期についての後編を本日はお伝えさせていただきます。
【前編はコチラをクリック】

 

前編では、私が30歳手前くらいの時期にいろいろと悩み、その中でたくさんの方と出会い、そこで気づいたことや発見したことについて、少しお話しました。

あの頃に得た気づきは、ひとつのキーワードに集約されます。

それは何かと言うと、「コンフォートゾーンに居続けない仕組みを作る」ということです。

 

私は20代の半ばに起業して、30歳のときは従業員が数十人の会社で取締役副社長をやっていましたが、ちょうどその頃、オフィスが移転して、新しくなったコピー機で資料を印刷する必要があり、全く使い方がわからず機械の前で数秒もぞもぞしていました。

すると、若手の社員がスッと来て「高橋さん、そんなことしないでください、私がやりますから」と言ってくれました。そのときは、「面倒くさいコピー機の使い方を覚えなくて済んだ。やってもらえて楽だな」と思いました。

一方で、「経営者として、細々としたことを周りに人にやってもらえるのは確かに楽なんだけれど、雑務をやらなくていい心地良さに対して、自分のアンテナが何も感じない状態になってしまったら、それはそれで危ない気がする」と、ふと感じました。

 

実際、私が個人的にお世話になっている大企業の役員の方からは、「役員になると、会社が色々と用意してくれるようになるけれど、そのメリットを変に勘違いしてしまうと、過去に得た権益を守ることの優先順位が高くなってしまう」という話を聞いたことがあります。

仕事で成果を挙げていったり役職が上がっていくことで、みな何かしらの「自由」を獲得していくわけですが、一方で、自分自身が心地良い状態にいることに対して、あまり疑問を抱かないようになってしまうのは、それはそれで大きなリスクなのでは、ということです。

そういう経緯があって、私は「心地良さを感じるようになったら、次のステージに向けて、何か負荷のかかったチャレンジをするようにしよう」「24時間365日居心地の良い状態ではなく、最低でも1〜2割は、居心地の悪いコミュニティで活動しよう」と思うようになりました。

 

前編でお話をしたように、第一線で活躍されている方々と接する中で気づいたことは、
・付き合う人
・時間の使い方
・お金の使い方
・仕事の選び方

などが自分と違っていたということですが、その方々は一様に、「コンフォートゾーンに居続けない仕組み」をご自身で持たれていました。

・自分を丁重に扱ってくれるような社内の人に偏らず、年齢や職業が離れた人たちとも積極的に付き合うようにする

・何かを最初から学ぶというような、「初心者としての自分」を取り戻せるような体験に、時間やお金を使う

・楽に成果を出せる仕事だけをずっとやるのではなく、積極的にリスクを取ってチャレンジする

 

たとえば、「付き合う人」という点を考えると、当時の私は自分にとって心地いい人としか付き合ってなかったなと思います。

この状態はまずいと思い、やはり自分自身も、年齢の幅を広げていろいろな方々に会いに行かなければと感じました。

そこで、50代、60代といった一線級の方の他に、自分よりだいぶ若い人たちにも会いに行ってみました。

 

「年齢と実力は紐付かない」を体感

今から数年前、シェアハウスが流行っていた時代に、私もシェアハウスに出入りしていました。

そこで時には寝泊まりしながら、20歳くらいの人たちと一緒に、夜な夜な話をしていました。

今でも覚えている衝撃的な出来事があります。

 

あるとき、そのシェアハウスのイベントで「時間と宇宙について語る会」というイベントがありました。

そこには、物理学を専攻しているわけでもない、見た目は普通の大学生っぽい人たちや、職業不詳(?)な20歳ぐらいの人たちが集まっていました。

なぜか私もその場にいたのですが、会話に全くついていけませんでした。

自分の持っている教養や知識は、恥ずかしながら、彼らに到底及ばないなと感じました。

年の差で言うと、10以上離れていますが、「いかに自分がものを知らないか」というのを、若い人たちの会話を通じて体感しました。

この体験をきっかけに、自分が持っていない見識を若い人達が豊富に持っているという事実に対して、すごく意識するようになりました。

 

また、その後にプログラミングを始めようと思ったときには、知り合いに頼んでプログラミングができる大学生に家庭教師をやってもらいました。

その大学生は、あまりにも教え方がうまかったので、「普段なにやってるの?」と聞くと、「私、会社やっています」と返ってきました。

さらに話を聞いていくと、彼は営業組織を作って、実際に営業のPDCAを回していました。「案件が10個あったら、受注率はどのぐらいか」「コンペで勝てるパターン、負けるパターンはどんなときか」「毎週の営業会議でどんな改善をやっているのか」と言ったことを質問すると、スムーズに答えが返ってきます。

私は今でもビジネスパーソンで営業をやっている方々に研修やコンサルティングの現場で上記のような質問をしますが、すらすらと答えが返ってくることは、あまりありません。

年齢は実力に紐づかない、という事実を認識するこれらの体験を通して、自分が普段接している世界がいかに狭いかということを考えるようになりました。

 

楽で利益率の高いプロジェクトを、即座に全部断る

30歳ぐらいのその体験をきっかけに、なるべく自分にとって心地良くないことにチャレンジしてみよう、時間やお金も、なるべくやったことがないこと、新しいことに使ってみよう、と考えるようになりました。

たとえば、30代半ばのときに、アスペン・エグゼクティブセミナーという、大企業の役員・経営者が参加されるセミナーに参加しました。周りの方々は、一部上場企業の本社で役員を務められているような方々で、歳の差は20歳ぐらいありますし、内容も、岩波文庫になっているような古典を深く読み解きながら対話する、という1週間ぐらいのプログラムです。とにかく、背筋が伸びる1周間でした。

休憩時間、隣の方に「部下は何人ぐらいいらっしゃるんですか?」と聞いたら、「うーん、2万人ぐらいかな」という答えが返ってきたりしましたが、そのような、大きな組織を束ねている方々と寝食を共にしながら学んだことは、本当に貴重な体験でした。

とにかく、今のままの自分でとどまっていてはいけない、と、痛烈に感じさせられる1週間でした。

 

この時期をきっかけに、仕事で引き受けるプロジェクトの選び方ひとつをとってみても、それまでは正直、なるべく楽に成果が挙がる、強みが活かせるようなことを事業の中心に置いてやっていたのですが、方針を転換しました。

一定期間、自社が楽にできること、具体的に言うと利益率が高い、簡単にできるプロジェクトをあえて即座に断るようにしました。

「これは結構楽に儲かるな」と思うような案件が来たときに、それを受けておけば確かに利益としては楽に上がるのですが、目の前のニンジンに負けないようにしました。とは言っても、誘惑に負けないようにするのはなかなか大変です。

依頼がきて、これは楽だな、利益率が高いな、と思ったら一分以内に断りのメールを書くというルールを設け、実際にやってみたら、一ヶ月も立たないうちに一千万円くらいの粗利が消えました。途中、何回も、「ああ、これを受けておけば・・・」という気持ちが胸をよぎりました。

しかし、その期間を通して、会社としても自分としても、今までにない筋力が鍛えられるようになりました。今思い返してみると、目の前のお金や利益を得るよりも、自分がやったことがない領域、まだ自分が出来るかどうか不安なことにチャレンジしていくというマインドになったことが、長い目で見てプラスに働きましたし、短期に失った利益も思いの外あっという間に返ってきました。

 

前編でお話したような、第一線でやられているような方々は、自分の得意技一本でやっているのではなく、節目節目で今までの成功体験を捨てて何か新しいことにチャレンジし、自分自身を新しく保ち続けている、という共通点がありました。それを私自身も実践してみたのです。

・年齢、仕事、国籍などが自分と遠い人達となるべく付き合う
・自分の時間やお金をなるべくやったことがないことに投じる
・自分がうまくできる確信がない仕事にこそチャレンジしてみる

こういうことを繰り返していくうちに、徐々に心持ちが新鮮な状態になっていく感覚がありました。

上記の3つは、今も続けていることですし、今後も続けていきたいと思います。

変化する時代の中、自分のビジネスパーソンとしての鮮度を保ち続けるという点で、「コンフォートゾーンに居続けない仕組み」ということは、ものすごく大事なことです。

Blog読者の皆さんにもぜひ、時々自分自身を見つめて、ご自身がコンフォートゾーンに対してどの位置にいるのか、考える時間を持ってみることを強くおすすめしたいと思います。

 

TORiX株式会社
代表取締役 高橋浩一

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