2017.06.19

法人営業スキルの根幹:提案ロジック力

提案ロジック構築力について(前編)

提案ロジック 構築における「お客様から選ばれる理由」に必要な3つの要素

提案ロジック 構築中編・後編も後日公開後リンク公開いたします。

 

提案ロジックを構築する際には、「お客様が当社を選ぶ理由」を考える必要があります。
この「お客様が当社を選ぶ理由」をどうやって考えるか?についてですが、3つの観点が重要です。

スライド1

1つ目は、「他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か?」ということです。単純に、候補として迷っている会社が他にもあるとすると、そこは競合となるわけですから、競合を選ばずに当社を選んでもらう理由が必要ですね。

では、競合だけ考えていればいいかというと、そうではありません。2つ目は「外注せずに内部でやるという選択もあるのになぜ当社か?」というものです。場合によっては、お客様が外部の会社に発注せずに自前でなんとかする、というケースもあります。その場合、実質的な競合は他の会社ではなくお客様自身、ということもありますね。たとえば、コンサルティングやアウトソーシングなどのサービスはこういう場合がよくあります

また、他の選択肢との具体的な比較ではなく、「先延ばしにしてもいいはずなのに、なぜ今なのか?」という点もクリアしなければならないときがあります。これが3つ目です。お客様からすると、決断を保留するというのがいちばん楽な選択肢ですから、それに対して、「決断を保留すること」ではない方が望ましいということを示す必要があります。複数の会社でのコンペではなく、単純に1社検討で稟議を起こす場合がこれですね。

以上お伝えしてきた3パターンのお客様が選ぶ理由、「他にも良い商品・サービスはあるのになぜ当社か?」「外注せずに内部でやるという選択もあるのになぜ当社か?」「先延ばしにしてもいいはずなのに、なぜ今なのか?」に対する明確な答えを、いったいどうやって作っていったらよいのでしょうか。

 

「認知的不協和」から、お客様の心理を掘り下げる

他の記事で、認知的不協和理論についてご説明しました。

そもそも、「決定」をする前には「迷い」が生じているわけで、迷っている状態というのは、何か複数の選択肢があり、どちらをとるか決めきれない、ということですね。そこで、人間は自分の持っている複数の情報(認知)の間に矛盾が生じている(不協和)場合、その矛盾を自分を正当化する形で低減、もしくは解消しようとします。これが認知的不協和でした。

たとえば、ある会社に発注しているお客様が、他の会社からも提案を受けていて、その新しい提案もまんざらではない状況。こういうときは、「新しい会社の提案は魅力的だが怖い」と「既存先は改善の余地ありだがリスク低い」とで迷っています。しかし、お客様はそのままの状態ではいられないので、「新しくきた会社の提案内容を既存先にそれとなく漏らして、安心できる既存先に発注。まだ人間関係のない新規先の方が断りやすいし、理由をつけて断っとこう」となるのがいちばん楽なわけです

法人営業では、この「お客様が選ぶ理由」がどれだけ具体的に定義されているかで、社内で発注理由が伝達されるスムーズさが変わってきます。担当者個人が、営業マン自身のキャラクターを気に入って「この営業が魅力的だったから」では上司に説明できないということです。しかし、「この提案の費用対効果はこれこれで、他の選択肢より明らかに効果が高い」というのは説明できます。要は、「再現性」の高いロジックを作ってもらった方が、社内の意思決定プロセスを通りやすくなります。

この場合のポイントは、「迷ったお客様は、”作りやすい理由””言いやすい理由”を正当化する」ということです。「断りやすい人に対して、断りやすい理由で断る」のです。もし、他の会社とのコンペ提案で自分がお客様に提案して断られたら、それは「複数の選択肢で迷ったとき、自分に対して断る方がラクだったから」と考えるようにしましょう。
このように考えることで、お客様の典型的な断り文句に対してアンテナが働くようになります。

「既にお世話になっている会社があるので・・・」と言った方が新規の営業を断りやすいお客様の心理を考えれば、「もし仮に、既に取引している会社よりも良いサービスを提供できることを示せれば可能性はあるのか?」というように考えるのです。
「今回は上司の意向で・・・」と断られた場合も、それは本当に上司の意向なのか?そう言っておいた方が「お客様がラクだから」ではないか?というように、良い意味で「健全な」疑う姿勢を持つことです。もちろん、疑う姿勢が強すぎて人間不信になってはいけませんが、基本的にお客様というのは「営業を断る言い訳」に長けているということを認識しておきましょう。

それでは、具体的にどうやってロジックを作っていくのかについて、中編以降でご説明していきます。

 

 

TORiX株式会社
代表取締役 高橋浩一

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